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毎日の生活の中で、ふと自分が今、無理していると感じるときはないでしょうか。
そんな無理をして辛いと思うときには、
本来の自分の素直な気分で過ごしたものです。
そんなとき、ふと思う、本来の自分らしさ。
介護サービスにおいては、「その人らしさ」の尊重ということがよく言われます。
なぜ「その人らしさ」を尊重することが大切だと言われるのでしょうか。
それは、一時的な病気やけがとは異なり、
介護を常に必要とする要介護状態とは、利用者にとっては、日常的な生活そのものがすべてにあるからです。
言い換えれば、要介護状態になったからといって、自分の生活スタイルや好みをすべて変更させられるのではなく、
できるだけ「自分らしさ」を継続できたほうが、利用者にとってはよりストレスが少ない状態で過ごせるからだといえます。
「その人らしさ」とは
ところで、その「その人らしさ」とは、いったい何を意味しているのでしょうか。
私たちが自らに対していう「自分らしさ」と同じ意味ではないかも知れません。
実は、「その人らしさ」と言っても、その意味は決して固定的なものではないといえます。
「その人らしさ」や「自分らしさ」は、他人が勝手なイメージで決めつけたり、
自分で勝手に考えたりして成り立つものではなく、
人と人との関係性や環境のなかから築かれていくものでもあります。
「その人らしさ」の観察について
・安易な決めつけをしない
介護サービスにおいて、「その人らしさ」の尊重といった場合、
利用者が日常的な生活のなかで、過度に緊張したり、窮屈な思いをすることなく、自分なりに納得した日々が過ごせるように支援していくことを意味しています。
このとき他人がイメージで「その人らしさ」を決めつけないように注意する必要があります。
高齢者だから・・・、男性だから・・、
という固定的なイメージであてがうようなことも、利用者には迷惑な思いをさせるかも知れません。
・「その人らしさ」の背景を考えることは、生きてきた時代や文化を知ること
介護サービスのなかでも、特に高齢者の生活支援を考える場合、その人が過ごしてきた時代や社会の状況、風俗・風習などについての知識がまったくなければ「その人らしさ」を理解することは不可能です。
例えば、多くの高齢者は、物を大切にし、「食べ物を粗末にしてはいけない」と言いますが、
それはその高齢者が生きてきた時代を考えれば当然のことです。
そうした時代背景を知らずに、物を大切にする高齢者を「年寄りはケチくさい」などと思っているような人には
「その人らしさ」の尊重などといっても、型にはまったような考え方しかできないのではないかと思います。
利用者の「その人らしさ」を考えていくためにも、まずは時代背景や社会の状況、風俗・風習
などを知ることが必要です。
・生活習慣や価値観の違いを理解する
介護サービス必要とする高齢者は、それまでに長い人生経験を積み重ねてきた人です。
要介護状態になったからといって、それまでの自分の価値観や趣味、好みを簡単に変えることはできません。
言い換えれば、その人がもつ価値観や自尊心こそが、一人ひとりの高齢者がそれまで過ごしてきた日常の生活そのものの姿(ライフスタイル)と密接な関係を有しています。
人は、生きてきたようにしか、老いることはできないものです。
利用者の多様な価値観や趣味・好みのあり方こそが、
利用者自身にとっての自分らしさの意味であり、
自身の存在感につながるもの、という視点が必要です。
そのような意味では、要介護の状態にある高齢者だからという決めつけではなく、一人ひとりの利用者を主体的な存在ととらえ、心理的・社会的な側面も十分に配慮した介護サービスの提供に努めていかなければなりません。
このことは、介護サービスにおける個別ケアの重要性とも密接に関係している考え方といえます。
「その人らしさ」を支える介護
・「その人らしさ」の理解
高齢者の生活支援を考える際に必要とされる視点は、「障害」や「疾病」だけに着目するのではなく、一人ひとりの生活経験の多様性から形成された「その人らしさ」をいかに尊重していくかということです。
高齢者や中途障害の人たちへの支援の難しさは、多様で複雑な生活体験から形成された「その人らしさ」をそのように理解していくかということにあります。
特に、認知症高齢者の場合、長い時間をかけて培ってきた「自分らしさ」を自分一人の力では維持することは難しくなってきます。
人間は精神的な生き物なので、人生経験を積み重ねることで獲得した「自分らしさ」を喪失することに耐え難いほどの苦痛を感じるものです。
介護サービスにおける「その人らしさ」の尊重は、いわばその人の人生の歩みを尊重することでもあり、
アイデンティティとも密接に関係するものです。
介護職が介護サービス「対人援助」の仕事であることを考えれば、利用者の「その人らしさ」を理解し、尊重していくことは、介護の本質的価値にかかわることといえます。
「その人らしさ」を尊重していくためのポイント
利用者一人ひとりの「その人らしさ」を尊重していくための基本は、
その人の精神を形づくり、その生活の支えとなっている「こころ」を大切にしていくことです。
「その人らしく」生きていくということは、その人が自分なりの存在感や役割をもって生きていくことです。
また、「その人らしさ」を考える場合、現在のその人の姿だけを観察し、理解しようとしても、
見えないことやわからないことがたくさんあります。
それは、人の生活とは、今の姿だけで判断できるものではなく、連続した時間のなかで、
生きてきた歴史、生きていくこれからを考えて、わかってくるものだからです。
「自分らしさ」を実現する支援とは
介護の仕事に携わる者にとって、利用者の「その人らしさ」の支援とは、
短い時間のなかでも、できる限りお互いの関係性を築き、利用者が安心して「自分らしさ」を表現できる生活環境、人間関係の構築を図っていくことです。
そこに必要な視点は介護者側の押しつけによる「その人らしさ」でも、イメージでつくられた「その人らしさ」でもありません。
今ある「その人」が「その人」自身として、自然に表現している「その人らしさ」を介護職側が受け止めていくことなのです。
このように、あえて利用者の「その人らしさ」を考えていかなければならない理由は、
要介護状態であることや施設への入所等の生活環境のなかで、利用者自身だけでは「自分らしい」生活の実現が困難となってしまうからです。
利用者の主観的な世界を理解する
障害をもった人であっても、高齢者であっても介護サービスを必要とする利用者は、本来、生物的な存在であるとともに、社会的な存在でもあります。
一人ひとりが自律した生活者として、自分自身の主観的な世界を大切にしながら生きています。
介護サービスが、単に食事や入浴、排せつの介助といった身体的な介護行為を淡々とこなせばいいというものであれば、介護ロボットでも今の時代であれば、介護ロボットに任せ、人手不足も多少は緩和されていくかも知れません。
しかし、介護を必要とする利用者の生活領域の拡大を目指し、その可能性を広げ、「生きがい」や「存在感」を高めていくものであるならば、利用者の内面に潜む主観的な世界を無視することはできません。
そして、こうしたことに配慮した介護サービスが提供できてこそ、利用者の尊厳の保持や自立支援の実現につながっていきます。
こころの自立(自律)を目指す
介護サービスにおいて「自立支援」とは、身体行為の自立だけを目指すものではなく。こころの自立(自律)を意味します。
それは、自分のことは自分で決めることのみならず、介護サービスの利用者が誇りをもって生きていくことをサポートすることを意味しています。
まとめ
人は一人ひとり違うように、その人らしさを尊重した介護サービスを提供するならば、利用者のこれまでの生きてこられた背景を知ることが、大変重要になります。
やはり、介護施設に入って生活をすることになると、集団生活というところからは、切り離せないと思うのです。
職員はやはりタイムスケジュールに沿って業務に取り組んでいます。
ですが、個別ケアが介護施設では、つねに意識することが求められていると思います。
この「その人らしさ」、「自分らしさ」は、本人自身も明確に自覚できていないところもあります。
それを介護職のものは、日々のケアの中で、把握して、ご利用者が自律(自律)した生活を少しの瞬間でも感じていけるようなサポートが求められていると思います。
介護のお仕事を通じて、自分自身の自己研鑽にも繋がるお仕事として、本当に日々、勉強と感じています。
もし、そんな介護のお仕事に興味をもっていただける方が増えることは、今の日本の社会には求められていると感じています。
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