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このたび、職場より申し込みをいただき、移乗介助動作のノーリフティングケア研修を受けてみました。
実際、どのような研修なのか。
そして、受講してみての感想を書いています。
ノーリフティングケア研修とは
利用者と介護者の体を守る介護技術研修として受講しました。
この研修の目的とは
- 持ちあげない・引きずらないケアが、利用者と介護者双方の体を守ることにつながることを理解できる。
- 持ち上げない・引きずらないケアのために、福祉用具の活用が不可欠であることが理解できる。
- 持ち上げない・引きずらない立ち上がり介助ができるようになる。
上記の内容を理解できるようになることが今回の研修の目的でした。
研修の対象者は介護保険サービス事業者職員、医療専門職、障害者総合支援事業所職員、福祉用具の仕様に興味のある介護職員、等となっていました。
研修の講師は、一般社団法人ナチュラルハートフルケアネットワークさんでしていただき、
とても丁寧でわかりやすい実技がメインの研修でとても満足をしています。
内容としは、実技でノーリフテイングケアの実際として
- 腰痛予防のためのポイント確認
- 自然な動きでの立位移乗の介助
- 自然な動きを助ける福祉用具の活用
上記の内容を一日で学ぶものでした。
今回、受講された方の中には、実務経験が長い方、私のように実務経験の浅い方も交じり、行われるものでしたが、この抱えない介護を言われて久しいと思いますが、なかなか現場では、まだまだ、実行までには至っていないことが感じられました。
この介護の仕事で、腰痛で離職をしてしまう方も多く、また、3K、4Kの仕事と言われていたり、そういったイメージが強い介護業界ですので、この人手不足の解消を行うためにも、今回の研修のように利用者と介護者を守る介護技術の研修の重要さを感じます。
また、現在は働く世代の人口が減り続けています。
上記のグラフからも人口の減少から、15歳~64歳までの働き手だけではなく、今後は65歳~74歳の前期高齢者の方の労働力も活用をして日本を支えていかなければならないことが窺えます。
そのためにも介護のお仕事で活躍を期待するには、仕事を身体的負担の少ないものにして、長く続けられる必要があります。
今回の研修のテーマであるノーリフティングの目的としては、介護現場での腰痛の発生状況の高さが注目されています。
職場における腰痛発生件数は、昭和53年をピークとして長期的に減少したものの、社会福祉施設や医療保健業が含まれる保健衛生業においては、集計を開始した平成5年以降、発生件数が増加を続けています。また、保健衛生業の腰痛発生率(死傷年千人率)は全業種平均(0.1)を大幅に上回る0.25であることからも、介護・看護作業における腰痛予防対策の推進が重要な課題となっています。
しかし、介護の現場では、「人の抱え上げ作業にかかる腰痛予防対策」について、取り組んでいると答える施設は100%近いものでした。また、労働安全衛生調査では「介護や看護で人の抱え上げ作業がある」と答えた事業所の回答結果では、福祉用具の活用は少なく、適切な移動・移乗介助法でほぼ対応している現状でした。
「医療,福祉」の事業所のうち、腰痛予防対策指針の内容について知っている事業所の割合は49.8%と低いです(統計表第7表-1)。また、介護や看護等での人の抱え上げ作業に従事する労働者がいる事業所のうち、腰痛予防対策に取り組んでいる事業所の割合は88.5%となっていますが、対策の取組内容をみると「リフト等の介護機器・設備の使用により負担軽減を図っている」は22.3%、「スライディングシート・ボードを使用させている」は23.8%と低調です
腰痛予防対策職場における労働衛生対策腰痛予防対策について紹介しています。
このような状況を踏まえて、今回の研修では、いかに利用者を移乗介助を行う中で、介護職員の体(腰痛)を防ぐことが重要な課題かがわかります。
そして今回のような研修が開催されています。
そして今回の研修では、実技が中心で、まずは、人がそのように立座り動作をしているのか、その点を各、参加者自身が体の動きを確認しながら、理解を深めていくことになります。
介護職員がほぼ腰痛を起こす動作は介助時にしてしまう介護職員自らの体の中腰、かがむ、ねじるという動作が大きく影響しているようです。
その動作は介護では必ず必要な場面で入浴介助、排せつ介助、食事介助、おむつ交換、などあらゆる場面で発生の危険があります。
この解決方法としては、国は「別添 職場における腰痛予防対策指針」というものを発表されています。
今回の研修で配布された資料をわかりやすかったので、写真を付けてみました。
・腰痛の原因について
この資料からも各作業の中で介護の場面では、移乗という姿勢に注目がされています。

・この資料では腰痛発生状況について、介護の業界は増え続ける問題としてグラフに表れています。

介護業界で、これまでの腰痛予防対策として取られている対策についての資料です。

この資料を利用して、今回集まった研修のメンバーの方の各職場(施設など)での現状について、どのような問題が該当しているのかについて、意見交換がありました。

実際に研修の参加者自身で、自らたち座りの動作をしてみることで、体の重心の移動を感じ取ってみることになります。

ここまでの資料では、実際に研修参加者が各ペアになり、介助する側、介助をされる側とに分かれて、重心の移動を体感して、みることになります。
次に、福祉用具を用いての移乗動作を学んでいきます。

トランスファーボードを用いての移乗演習になります。
実際には、施設現場では活用されているところは少ないイメージですが、比較的安価で導入しやすく、ボードを効率的に使えることができれば、とても腰痛予防対策としては、優れていると思います。
どんな福祉用具も同じことが言えますが、購入を検討したい場合、福祉用具販売店へデモンストレーションの依頼をすることで、実際に導入するメリットを感じ取れるかと思います。
販売店もしくは、メーカーに相談して導入の検討は有効だと感じました。

トランスファーボード以外の福祉用具を使っての移乗研修も行いました。


まとめ
ノーリフティングケアとは
・腰痛の原因となる、利用者を持ち上げたり引きずる作業や、不良姿勢を行わないこと。
・高度な介助技術の習得より、適切な福祉用具の導入と、活用を身につけること
これらを達成することにより、
介護職員は健康が守られ、安心して働き続けられる。
利用者にとって人としての尊厳(健康や普通の暮らし)が守られることになります。
今回の研修で学ぶ技術は、主に、移乗動作の介助に携わる際の
利用者の自然な動きを介助する方法、
福祉用具を用いて、利用者も介助者も苦痛のない介助方法、
利用者がリラックスできる姿勢の整え方、
介助者が腰を痛めない姿勢や身体の使い方。
これらを実技を通じて学ぶものでした。
今回のような研修は、他の施設の方ともお話ができ、とても、モチベーションアップが期待できます。
そして、いろんな施設現場での声も聴けます。
介護は、どうしても、慣れてくると、自分のやり方にこだわってしまう傾向があるかと思います。
そんなとき、違う情報を素直に聞き入れられるのが介護の研修だと思います。
そんな介護のお仕事にご興味を持っていただける方が増えることを願います。



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