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ユニットケアとはなんでしょうか。
未経験での転職して勤める介護施設のユニットケアとは?
まったく疑問を持たずに今まできてしまいました。
現在、私が勤める施設は複合福祉施設です。
建物の中に特別養護老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅があります。
そして、特別養護老人ホームはユニット型居室になっています。
そのユニットとは何でしょうか?
そんな疑問を紹介してみます。
ユニットケアとは何か?
施設において個別ケアを実現するための手段としてユニットケアがあります。
これは、単に入所者様を少人数に分けるだけのことではありません。
ユニットケアの原点のエピソードがありました。
1994(平成6)年、ある特別養護老人ホームの施設長が、数十人の高齢者が集団で食事を摂る光景に疑問を抱き、少人数の入所者と共に買い物をし、一緒に食事を作り、食べるという試みを始めた。
そして「一緒に過ごす、ごく普通の家庭の食卓にこそ意味がある」ということに気づいた。
次に、「住み慣れた地域で暮らせるような策を」という発想から、民家を借り上げ、入所者に日中そこで過ごしてもらう「逆デイサービス」を始めた。
そうした取り組みを重ねた結果、やがて職員から「4つのグループでそれぞれの家のような生活を」という提案があり、定員50名の施設を4つのグループに分け、グループごとに職員を配置し、利用者が起きてから寝るまで、同じ職員とともに生活する形態を採り入れた。こうして我が国におけるユニットケアの本格的な歴史が始まったと言われる。
ユニットケアの定義とは
ユニットケアの定義
まず、ユニットケアを「居宅に近い居住環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うこと、
すなわち、生活単位と介護単位を一致させたケア」と定義している。引用元:ユニットケアについて
「居宅におけ生活に近い日常の生活」とは、1人1人の個性が生き、それぞれの生活リズムに沿って営まれる生活であり、かつ、社会の中に位置づけられ、他人人との人間関係の中で営まれる生活とあります。
ユニットケアでは、介護職員は、1人1人の心身の状況・生活習慣・個性などを具体的に把握すること、そして、それぞれご入居されている方の生活リズムの沿った支援を行うことができることを目指しています。
ユニットケアの魅力とは
ユニットケアと従来の多床型施設との変化を調べて研究があります。
2000(平成12)年から2001(平成13)年にかけて(財)医療経済研究機構が実施したユニットケアに関する研究において、個室・ユニット化が入所者に様々な影響を及ぼすことが示された。
(1) まず、6人部屋の特別養護老人ホームにおいて入所者がとる行動を調査したところ、日中の12時間の間に入所者同士の会話が全くない部屋が全体の3分の1あった。
また、窓側、中央、廊下側のベッドにいる入所者は日中の80%以上、90%以上、70%の割合で、同室者に対し背を向けた姿勢を取っていることが分かった。
このことから、多床室の入所者は互いに交流するどころか、むしろ関わりを避けて生活していることが明らかになった。
(2) 次に、多床室から個室に建て替えられた施設について、建て替え前後の状況を比較したところ、
個室化された後は、日常生活動作能力(ADL)の高低にかかわらず、入所者が自分の家具、日常生活用品、小物を個室に持ち込み、絵や写真を飾るなどして個人的領域が形成される現象がみられた。
また、ベッド上の滞在率が減少する一方、リビングの滞在率が増加し、個室化は居室への閉じこもりを惹き起こすのではなく、むしろリビングに出て他人との交流を促す効果があることが分かった。
その他、一人当たり食事量が増加し、排泄についても、ポータブルトイレの設置台数が減るなど、入所者の生活が大きく改善することが分かった。
一方、介護スタッフについては、居室や廊下の滞在時間が減少し、リビングにおける滞在時間が増加した。それと共に、身体介助中心のケアから、余暇を過ごしたり交流を図ったりといったケアへと、質的な変化が見られた。
(参考1)特別養護老人ホームの建て替えによる入所者・介護スタッフの変化 1.入所者の生活上の変化
○ベッド上の滞在率67.7%→40.2% ○リビングの滞在率16.7%→42.8% ○日中に占める睡眠時間42.3%→22.5% ○日中に占める食事時間7.6%→11.3% ○一人当たり食事量1463Kcal→1580Kcal ○ポータブルトイレ設置台数29台→14台
2.介護スタッフの行動の変化
○居室の滞在率39.2%→18.0% ○廊下の滞在率9.2%→4.9% ○リビングの滞在率9.4%→37.5% ○直接介助の時間46.2%→33.1% ○余暇・交流の時間20.3%→24.1%引用元:ユニットケアについて
ケアとハードウエアについて
(参考2)従来型の特別養護老人ホーム、ユニットケア型の特別養護老人ホームにおける居室の配置例
こうしたタイムスタディの他に、同研究においては、共用空間の在り方が入所者の生活に与える影響についても言及されている。
すなわち、個室化をしても、直線的な廊下に沿って一列に個室が並んでいる平面構成(図1)では、隣同士のなじみの関係が形成されにくく、入所者は廊下の端にある大きな空間で行われる集団プログラムに参加するか、あるいは個室に閉じこもるかという、二極化した生活に陥りがちである。
一方、いくつかの個室がまずリビングのような小さな共用空間を共有し、それを介してさらに公共性の高い共用空間へと連結していく空間構成(図2)であれば、入所者はまず気の合う幾人かの隣接した入所者となじみの関係を形成し、その上でさらに大きめの人の輪の中で次第になじみの関係を作り上げていくことが可能になると指摘されている。
(図1)個室化しても共用空間が貧しければ交流は生まれにくい。 (図2)個室が小グループを形成し、段階的な共用空間があれば、交流が生まれやすい。
以上のように、ユニットケアを行うためには、個室とリビング等の共用空間で構成されるハードウエアの構造が必要であることが示された。
これらの実践や研究から、ユニットケアを行うには、適切なケアとそれを生かすためのハードウエアの両方が必要であるといえる。すなわち、
・一人一人の個性と生活リズムを生かすケアと、そのための場としての個室・入居者が相互に社会的関係を築くことを支援するケアと、そのための場としてのリビングということである。
また、少人数のグループ構成とするのは、少人数とすることにより一人一人の個性やニーズを具体的に把握することを可能にするとともに、入居者が互いに人間関係を築くことができるようにするためである。
(小規模生活単位型特別養護老人ホームの制度化)
2002(平成14)年度から、ユニットケア型の特別養護老人ホーム(小規模生活単位型特別養護老人ホーム)に対応した施設整備費補助金が設けられた。
同年度に新設で国庫補助対象とされた特別養護老人ホームのうち84施設がユニットケア型であった。今年度はこれまでに166施設がユニットケア型の国庫補助対象とされており、これは定員数では全体の約9割に相当する。今年度中には更に30程度の施設が対象となると見込まれている。
また今年度から、ユニットケア型の特別養護老人ホームについて、従来型よりも高い介護報酬が設定された。
私は、この背景には、随分前に読んだ中央法規出版の「介護の基本Ⅰ]で「利用者が認識できる生活環境の整備」というテキストの項目で、なぜ、多くの認知症の人にとっては、グループホームやユニットケアが望ましいのかというお話がありました。
それには、日常生活の在り方、生活範囲のほか、ともに生活する人の人数が認知症の人にも把握できる大きさを前提としているからとありました。
また、生活習慣のしつらえも自宅での生活感覚に近いからのようでした。
個々の利用者に適した生活環境を考えることは、まさに介護サービスの質そのものを考えていくことになるからです。
まとめ
私の勤める介護施設もユニット型の施設です。
やはり介護報酬もこと、補助金のことを考えると、ユニット型の施設を建てることがオーナーにとっては、メリットがあるようです。
また、ご入居される方にとっても、メリットがあるとの研究結果が出ていました。
しかし、入居する費用面では多床型の方が安く抑えられるとの情報もありました。
厚生労働省は介護施設の居住費の基準費用額を2024年8月から1日当たり60円引き上げる。それにより特別養護老人ホームの場合、日額で多床室は915円▽従来型個室は1231円▽ユニット型個室的多床室は1728円▽ユニット型個室は2066円――となる。食費の基準費用額は現行の1日1445円を維持する。
ユニット型施設が制度化され、20年が経とうとしています。
改めて、「ユニットケアとは何か」について、ユニット型施設に関わる皆さんにお伝えしたいと思います。
。
当センターでは、老人福祉法第17条の基本方針(第33条)「ユニット型特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」に基づき、高齢者が施設において、ごく普通に暮らすことができるようユニットケアの目的を「その人らしい暮らしの継続」としました。
ユニットケアは、多数の高齢者が暮らす高齢者福祉施設にあって、建物の特徴を活かしながら自宅のような空間において、高齢者が自分の行動を自ら決定できるよう職員は自律支援を行い、このような支援を行う中で、入居者との関係性を紡いでいくことです。
職員は、一人ひとりの入居者の心身の状況、生活習慣、個性等をよりよく知り、これまで暮らしてきたように、本人にとって居心地のいい場で、好きなように過ごす、そんな入居者に寄り添い、その人が自分らしく最期の時間を豊かに楽しく暮らせるよう支援を行います。
入居者の想いにこたえようとする支援は、時には時間がかかり、失敗することもありますが、こうした支援を積み重ねることが、入居者や家族の信頼へとつながり「最期はあなたに、看取ってもらいたい。」と言っていただけるようになるのです。相手を想う気持ちこそが、ユニットケアの原動力だと考えます。当センターでは、これまでに管理者研修修了者数が7千名をこえ、ユニットリーダー研修の修了者数は、5万5千人をこえました。(2003年度から2009年度までは、前身の認知症介護研究・研修東京センターユニットケア推進室の修了者を含む)ユニットケアの実践が、職員の誇りとやりがいにつながり、ひいては、それが高齢者の笑顔へと結びつくことは間違いありません
介護職では、身体面、生活面において、その人らしく生活できるように支援していきます。
一人ひとりの方に応じて、ご利用者の状態や意欲、体調などを総合的に判断して、その生活全般を支援することが大切です。
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