こんにちは!50代で営業職から介護の仕事に転職したさとるです。
まさか自分が介護の世界に飛び込むなんて、数年前までは想像もしていませんでした。
それでも「何か人の役に立てる仕事がしたい」と思い、50歳を過ぎてから介護の現場に入り、気づけばもうすぐ2年が経とうとしています。
そんな私が昨年末に受講したのが、「介護福祉士 実務者研修」です。
これが思った以上に深くて、そして面白くて・・・
正直、これからの人生に必要なヒントがたくさん詰まっている、そんな時間になりました。
今回はその学びと気づきを、実体験をもとにお伝えします。
「介護には興味ないけど…」という方にも、ちょっとでも読んでいただけたら嬉しいです。
実務者研修ってどんなことをするの?
私が受講したのは、通信とスクーリングを組み合わせたスタイル。
たとえば下記のような内容を学びました:
- 社会や認知症、障害などへの理解
- 医療的ケア(経管栄養や吸引の演習あり)
- 介護過程の実践と計画作成
なかでも印象的だったのは「介護過程Ⅲ」。
これは事例に基づいて、利用者一人ひとりの“望む生活”を支援するために、どんな支援が必要かを考えていくものです。
正直なところ、未経験から現場に入ったときは「先輩のやり方を真似する」ことばかりで、深く考える余裕なんてありませんでした。
でもこの研修を受けて、「なんとなくやっていたこと」に、ちゃんとした意味と根拠があるんだということに気づかされました。
介護福祉士実務者研修とは?
介護福祉士実務者研修とは、介護の仕事に必要な知識や技術をより深く学ぶための研修です。特に、将来「介護福祉士」という国家資格を目指す人には、この研修の修了が必須条件となります。
内容としては、介護の基本から、認知症や障がい、医療的なケア(たとえば経管栄養や吸引など)まで、幅広い分野を学びます。
また、実際の事例をもとに介護計画を立てる「介護過程」も重要な学びのひとつです。
研修は通信(自宅学習)とスクーリング(通学)を組み合わせた形式で行われることが多く、働きながらでも受講しやすくなっています。
「未経験でも大丈夫?」と思うかもしれませんが、現場での経験が浅くても、基礎から丁寧に学べる内容なので安心です。
この研修を通じて、ただ「手伝う」だけでなく、「その人らしい暮らしを支える介護」ができるようになることが目標です。
人と関わる仕事がしたい、人の役に立ちたい——そんな想いがある方に、ぜひおすすめしたい学びです。
研修を通じて感じた介護の「奥深さ」
実務者研修で強く感じたのは、介護という仕事は単なる作業じゃないということ。
・利用者の気持ちに寄り添うこと
・なぜその支援が必要なのかを考えること
・その人らしい生活をどう支えるかを一緒に探すこと
この「考える力」こそが、介護職に求められる専門性であり、信頼につながるのだと学びました。
介護の仕事というと、身体介助や生活のサポートばかりが注目されがちですが、本当の価値はもっと深いところにあると感じました。
たとえば、「この人はどうして今、こういう行動をとったのだろう?」と考える視点。
一見ただの“困った行動”に見えることも、背景に不安や悲しみ、昔の記憶などが隠れていることがあります。
それを丁寧に読み解き、必要な支援を考える——これはまさに“人を理解する力”であり、どんな職種にも通じる大切な力だと思います。
また、研修では「自分の思い込みで支援しないこと」の重要性も学びました。
つい「この人にはこうしてあげるのが一番」と決めつけてしまいがちですが、相手の声に耳を傾け、その人の望む生き方に寄り添う姿勢が何より大切なんだと実感しました。
「介護=重労働」というイメージだけではもったいない。
実はすごく知的で、人間らしい、奥の深い仕事だということを、私はこの研修を通してはじめて知りました。
「人と関わる」って、実はすごく難しい——だからこそ面白い
私自身、前職では営業の仕事をしていました。
でも正直、ちゃんとした研修や教育がなく、見よう見まねでなんとなく25年が経ってしまった…そんな後悔もあります。
でも介護の研修は違いました。
どの支援にも理論があり、相手の立場に立って考えることが求められる。
そしてそれを丁寧に学べる環境があるんです。
この学びは、営業や接客、人との関係づくりなど、あらゆる仕事に共通するものだと感じました。
私にとって、この実務者研修は「学び直し」の機会でもありました。
長年、営業という仕事を通じて多くの人と出会ってきたはずなのに、どれだけ相手のことを理解しようとしてきただろう——そんなことを自問するきっかけにもなったのです。
介護の現場では、「聞く」「観る」「想像する」ことが本当に大事だと教えられます。
目の前の利用者さんが発するわずかなサインに気づけるかどうかで、安心感や信頼感がまったく変わってくるんです。
この感覚って、実は営業でも同じですよね。
お客様が本当に困っていることを“聞き出す力”や“共感する姿勢”がなければ、ただの押し売りになってしまう。
そう考えると、介護の学びは“人と関わるすべての仕事”に共通する本質なんだと気づかされました。
そしてなにより、「人との関係を大切にする」ことこそが、どんな時代でも価値のある力だと、今は胸を張って言えます。
外国人の仲間と一緒に学ぶ、心あたたまる経験も
私のクラスには外国籍の受講者もいて、最初は少し緊張しましたが、気づけば笑い合って学び合っていました。
言葉が違っても、「人を大切にしたい」という思いは一緒。
グループでの実習は、まるで国際交流のような、素敵な時間でした。
最後に:介護の学びは、人生を豊かにしてくれる
介護職に限らず、私たちは誰かと関わりながら生きています。
だからこそ、「相手の話に耳を傾ける」「尊重する」「支える」というスキルは、人生のどこかで必ず役に立ちます。
実務者研修は、そんな“人間関係の原点”を、じっくりと学ばせてくれる場でした。
そして私は今、あらためてこう思っています。
「人を支える仕事って、悪くないな」
「この歳からでも、学べるって楽しいな」
介護の仕事に興味がある方はもちろん、そうでない方にも、ぜひ一度「実務者研修」の内容をのぞいてみてほしいです。
それが、これからの人生をちょっと豊かにしてくれるきっかけになるかもしれません。
介護の仕事の魅力って、やっぱり「ありがとう」が目の前で返ってくるところだと思うんです。
それも、形式的なお礼ではなく、心からの感謝の言葉や、にっこりとした笑顔。
ときには、何も言葉がなくても、手をぎゅっと握ってくれるだけで、「ああ、自分のしていることがこの人の役に立っているんだ」と実感できます。
日々の業務は、もちろん楽なことばかりではありません。
身体を動かすことも多いし、ときには心が折れそうになる瞬間もあります。
でも、それ以上に、誰かの人生に深く関われるこの仕事は、ものすごく人間らしい、温かい仕事なんです。
そして介護の魅力は、「その人らしく生きる」を一緒に考えられるところにもあります。
ただ“お世話する”のではなく、「この人は何が好きで、どんなことを大切にして生きてきたんだろう?」と想像しながら、その人の生き方に寄り添っていく。
こんなに深く“ひとりの人間”と関わる仕事って、他にあまりないんじゃないかと思います。
私も最初は不安でした。「50代で未経験から始めて大丈夫だろうか」と。
でも、ひとつずつできることが増えていく中で、自分の中にも少しずつ誇りが芽生えてきました。
「誰かの役に立てる場所がある」ということが、こんなにも自分を支えてくれるとは思ってもみませんでした。
もし今、人生のどこかで立ち止まっている方がいたら、介護の仕事をちょっとだけのぞいてみてください。
人を支えるということは、自分自身の心もじんわりと満たしてくれる。
そんな仕事が、きっとここにはあります。
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