(この記事は2025年6月25日に更新されています)
アフィリエイト広告を利用しています。
ある日のこと。上司から、こんな質問を投げかけられました。
「半年後のあなたは、どうなっていたいですか?」
「どんな貢献をしたと言えると思いますか?」
正直なところ、答えに詰まりました。
そんな立派なビジョン、今は持っていない。でも、この問いは、どこか心に残り続けたのです。

目標なんて、なくてもいい?──と思っていたあの頃
50代で転職し、ひょんなきっかけから飛び込んだ介護の世界。
慣れないことばかりの毎日に追われ、「目標を持つ余裕なんてない」と思っていました。
でも、よくよく振り返ってみると、介護の現場って、じつは“目標”だらけなんです。
利用者さん一人ひとりに立てられるケアプランには、短期・長期の目標が明確にあります。
「歩けるようになりたい」「お風呂に入りたい」「毎朝、自分で顔を洗いたい」――
それらを叶えるために、私たちは日々手を貸しています。
誰かの目標を支えているうちに、自分もまた、自然と何かに向かって歩いている。
そんな感覚が、いつしか芽生えていたんです。

目標って、自分でつくるものじゃなくて、“見えてくる”もの
無理に「〇〇になりたい!」と掲げる必要はない。
続けていくことで、「こうしたいな」「こんなふうになれたらな」という想いが、自然と浮かんできます。
実務者研修で学んだ知識が、ある日ふと、目の前の業務とつながった瞬間がありました。
「ああ、こういうことだったのか」
と小さな感動が湧いてくる。そのたびに、自分の中に灯がともるようでした。
知識だけでは介護はできない。けれど、知識があるからこそ、目の前の行動が“意味”を帯びてくる。
ただの作業が、「誰かの未来を変えること」に変わる瞬間です。

「聞くこと」から始まるプロフェッショナル
介護は「生活」を支える仕事。
つまり、利用者さんがこれまでどんな人生を歩み、いまどんな想いで生きているのかを知ることから始まります。
「どう暮らしたいですか?」
「どんなことが不安ですか?」
この問いを、相手の心にちゃんと届くように聞くには、まず自分が“自分の心”に問いかけていなければなりません。
仕事に追われながらも、「なぜこの仕事をしているのか」「何を大切にしたいのか」
それを考える時間をほんの少し持つだけで、毎日がまるで違って見えてくるのです。
目標は“飾り”じゃない、人生を照らす“灯り”だ
目標とは、無理して掲げる旗ではありません。
気づいたらそこにあった、自分の中の静かな願い。
それを言葉にすることで、人生が、少しだけ明るく照らされるのだと思います。
50代で介護の仕事に出会った私は、今、やっとそのことに気づき始めました。
人に尽くす日々の中で、自分の人生を少しずつ立て直している。
そして、目標は「答え」ではなく、「問い続けること」そのものなのだと思います。
◎まとめ:介護は、“人生の教科書”になる
介護職は、高齢者と接する仕事。でも実は、「未来の自分自身」と向き合う仕事でもあります。
人生の終わりに近づいていく日々を共にしながら、「どう生きたいのか」「何を大切にしたいのか」を学ばせてもらえる場所。
給与をもらいながら、人生を学び、感謝される。
これって、実はすごく豊かな仕事だと思いませんか?
もし、今の自分に迷いがあるなら、「何か目標を持たなきゃ」と焦る前に、
目の前の人の声に耳を傾けてみてください。
そこから、あなた自身の“本当の目標”が、そっと顔を出すかもしれません。



コメント