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介護の仕事を始めて「ICF」というの考え方を学び、あらゆる悩み解決方法として利用できるのではと思い、この記事では、そんなICFの考え方をヒントに自己分析をする方法をご紹介してみたいと思います。
このICFモデルの本来使われている目的は、介護過程を展開するために、利用者の全体像を捉える必要性から、
対象となる利用者の今現在の状況(人となり)を理解するため、日常生活に関する可能な限り多くの情報を収集して、
分析・解釈、統合することで、利用者自身の生活をしづらくしている課題の明確化につなげていくものです。
これによって自分自身のことを深く客観視できる機会になればと思います。
- Q介護過程とは
- A
すべては介護過程で学べる。
介護過程とは、「利用者の望む生活を実現するために、介護サービスを提供するうえで考えなければならない一連の行為」とあります。
(介護福祉士養成 実務者研修テキスト 編集 介護職員関係養成研修テキスト作成委員会)より
①情報収集・アセスメント
②生活課題抽出と目標設定
③介護計画の立案
④介護計画の実施
⑤評価と計画の見直し
この流れは、営業マンのPCDAサイクルの考え方と同じです。
このICFのツールを使い、自分自身を研究して、もしこれから先の自分の長所を見つけ、進んでいく道(たとえば、転職やセカンドライフなど)への道標に利用できるお話になります。
やりたいことを見つける 探し方に応用するための介護現場におけるICFとは?
ICF(生活機能分類)は、従来のICIDH(国際障害分類)の改定版として2001年5月にWHO総会で採択されたものです。
ICFモデルは障害やリハビリテーションの分野では早くから取り入れられていた概念ですが、
介護保険制度下におけるケアマネジメントの領域でも定着してきています。
施設、在宅を問わず、あらゆる専門職の共通言語として用いられる重要な概念だといえるものです。
従来のICIDHが障害という視点だけに着目していたことに対して、
ICFの特徴は、生活機能という、より広い視野からプラスの側面に着眼していることにあります。
生活機能とは、人間が「生きる」ことを表す、三つのレベル(階層)(心身機能・身体構造(生物レベル)、活動(個人レベル)、参加(社会レベル)のすべてを含む包括概念です。
この生活機能のすべての階層(レベル)と各因子(健康状態、環境因子、個人因子)とが相互に影響を及ぼし合う相互作用モデルとしてとらえることが重要です。
引用元:「国際生活機能分類−国際障害分類改訂版−」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について
・健康状態・・・病気や怪我、精神的ストレスなどを示しています。
・心身機能・身体構造・・・生活機能である、精神機能・運動能力・視覚聴覚などを示します。
・活動・・・ADL(食事、排泄、更衣などの日常生活動作)やIADL(買い物や料理など日常生活動作)などを示しています。
・参加・・・家庭での役割・地域社会への関わりを示しています。
・環境因子・・・物的環境・人的環境・社会制度的環境
・国籍・年齢・性別・生活感などを示しています。
なぜ、ICFの考え方が、やりたいことを見つける 探し方に応用できるのか
このICFの考え方は利用者と介護職の関係で説明されています。
ここで自分自身の分析を行うツールとして利用するために、
①利用者を自分、
②介護職を客観視する自分と置き換えてみます。
あとは、当てはめるだけで、自分自身の現在の状況や自分の強みをあぶり出すことができます。
たとえば、
・健康状態・・・今の心や身体の気になるところ
・心身機能・身体構造・・・得意なこと、好きなこと、していて楽しいことなど
・活動・・・現在の日常生活で行っていること。朝、起きてから会社に行って夜、帰宅するまでを細かく行動を時系列に記録します。
・参加・・・習い事や好きな行きつけの所(居酒屋さん、映画観、よく立ち寄る書店など)
・環境因子・・・ご家族や住んでる自宅の環境についての良いところと、気にいらないことを書いていきます。
・個人因子・・・自分自身のプロフィール、経歴などや、ご自身の性格について書いていきます。
これらの情報を解釈・関連付けをしていきます。
①自分自身の望み、思いを念頭におく
例として書いてみますと・・・
自分の思い:好きな仕事を見つけたい。
家族の思い:自分の納得できる仕事があればチャレンジしても良いと思っている。
②情報の意味を考え、情報の関係性をみながら予測する。
自分の思い:家族関係は良好である。好きな仕事があればチャレンジしても良いと思っている。好きなこと、趣味や楽しみの時間を持ちながら、新たにチャレンジしたいことがあれば家族で協力していくことが必要である。
③課題を明確にする。
好きな仕事、チャレンジしたい仕事を探す機会をもちたい。
家族で心身ともストレスなく良い関係を続けていきたい。
そのために解決することを絞り込んでいきます。
この例から見てみると、ご自身の現在の健康面から住んでる環境、これまでの経歴を図式化して見える化をしています。
もし、今までの人生の振り返りに加え、健康状態の把握、現在の楽しみの明確化、
それらによって現時点で、自分自身がどこへ向かおうとしているのか、
その方向性は家族からは良く思われているのか、
そして、今の自分の能力、体力で、チャレンジしたいことが現実的なものかを
客観的に冷静に見ることができます。
やりたいことを見つける 探し方に応用するための介護におけるICFの視点
ICFの視点では、生活機能というプラスのなかにマイナス(障害や支障)があります。
このことは、障害や病気がある場合、できないことやリスクといったマイナス面に着眼しがちですが、
生活機能としてとらえることで、逆に、健常な機能・能力といったプラス面に気づくことが大切です。
ここでは、もしご自身の現在の性格や悩み(仕事やプライベートなど)のマイナス面だけに着眼せずに、
自分にある長所(性格が温厚、まじめ、几帳面など)にも着眼していきます。
このとき、ご自身にある「こんな人生を生きてみたい!本当の自分はこうなんだ!」みたいな気持ちを引き出していきます。
実際の介護の現場ではICFの活用により、
また、同時に、顕在化・潜在化している能力や意欲を引き出すケアが求められています。
従来の高齢者ケアでは、「マイナス(課題・問題)をなくす」ことに主眼がおかれ、できないことを補う視点で援助が展開されていましたが、
これからは、「プラス(できること、したいこと)を増やす」といった発想の転換が求められています。
ICFは、利用者の心身機能や生活動作ばかりに着眼いてきた介護の視点を拡げて、
利用者が役割を取り戻したり、社会とのかかわりを拡げたりすることを大切にするといった、本来のケアの本質に気づかせてくれるツール(道具)です。
介護職がICFを理解して現場で活用することは、利用者の生活機能を向上させることのみならず、介護職自身の専門性を高めることにつながります。
やりたいことを見つける 探し方に応用するためのアプローチ
ICFにみる相互関連性
介護職の仕事は、「介護」だけではないことを、ICFモデルで説明していきたいと思います。
「健康状態」に関する介護職の役割としては、介護やコミュニケーションを通じて、健康状態の安定を図ることが重要です。
ここでは、ご自身の健康状態(悩みや疲れている感情など)を確認してみます。
実際の介護の現場では、
健康状態の変化を観察して、適時医師や看護師への報告・相談を行うなどの連携を図ることなどがあげられます。
日常の観察力、洞察力が問われる重要な仕事です。
「心身機能・身体機能」に関する介護職の役割としては、医師やリハビリテーションの専門職と連携して、訓練内容に沿ったケアを提供することなどが挙げられます。
「活動」に関する介護職の役割としては、本人の能力や意欲を最大限に引き出しながら行う、
つまり自立支援を重視したケアを提供することが重要です。
そのためには、活動能力を的確に把握して、改善が期待できる生活行為が何かをアセスメントする能力をみがかなければいけません。
やりたいことなど、自分自身の存在を見いだすアプローチ
ICFの分類では、参加と、環境因子があります。
「参加」へのアプローチは、利用者(自分)が社会的な存在であり、家庭や地域での役割をもち続けることの重要性を理解することから始まります。
なぜなら、社会参加や家庭や地域で役割を果たすことで、生活するうえでの目標をもち、生きる楽しみや喜びを利用者(自分)自身が実感できることが、
健康状態や心身機能、活動を改善していくための原動力になりからです。
「環境因子」に関する介護職(客観視する自分)の役割としては、
住環境の改善や福祉用具委の導入等で利用者の能力を最大限に引き出し、
安全性を向上させるといった物理的環境面への支援があります。
介護職が介護にかかわり、支援をすることで、身体的な負担の軽減につながることはもちろんのこと、
介護者への相談援助やコミュニケーションが精神的負担の軽減につながることも大きな意義があります。
介護職は、「個人因子」である利用者特有の背景を理解して、向き合わなければなりません。
「ご自分の気持ちを表出していただくためには、この糸口に話かけてみよう」といった個別のアプローチ方法がみえてくるかもしれません。
利用者に個人的な背景があるように、介護職もそれぞれ個性がありますので、
自分自身の性格や価値観などを理解したうえで、対人援助技術をしっかりと身につけて、
実際の援助場面で活用していくことが大切ですね。
日々の介護は、単に「作業」として提供されるのではなく、
身体・心理・社会的側面から多角的にアプローチされなければなりませんし、
利用者に合わせて柔軟に対応するといった個別性も求められるのです。
自分自身の強さに着目する
利用者(自分)のもつ「強さ」に着目する。
繰り返しになりますが、ICFでは、マイナス面だけでなくプラス面をとらえることが重要です。
この視点は、ストレングスモデルという概念にも共通します。
ストレングスモデルを提唱したラップは、利用者個人の強さ(ストレングス)を「熱望」「能力」「自信」などであると述べています。
この「能力」には、いわゆる残存能力だけでなく、利用者に秘められている潜在能力が含まれています。
大切なことは、利用者個人のストレングスと環境のもつストレングスを介護職(客観視する自分)がしっかりと把握することです。
また、利用者自身がストレングスを自覚し、自分の望む生活をとらえることが何よりも重要です。
その人らしい生活を実現するためにも、利用者一人ひとりのストレングスをアセスメントして、ケアにどのように活かせるかを考え、実践していく必要性があります。
やりたいことを見つける 探し方のためのアセスメントとは
アセスメントとは
アセスメントとは①情報を収集し、②分析することにより。③利用者の生活課題(生活ニーズ)を明確化することです。
単に利用者の健康状態や日常生活の状況を把握するだけではアセスメントとはいえません。
アセスメントは、まず最初に、利用者の生活上の訴え、思い、願望、将来への希望など情緒的な側面も含めて十分聴取することから開始されます。
ポイントは、アセスメントは「日常生活のどの部分にどのような介護を必要とするか」というケアを提供するための情緒収集に終わってしまってはいけません。
「利用者を理解する」ことは「その人を知る」ことです。
今までどのような人生を歩んできたのか、人生のなかで体験してきた苦悩や困難、喜びや成功といったエピソードを本人や家族から聴くことは、
利用者にとっても介護職にとっても大変重要なことです。
この点も応用することとしては、家族や友達、兄弟、ご両親などからご自身のことで、長所や一緒にやってきたイベントなどを振り返ることで、
自分自身では忘れていた、やりたいこと、自分の長所が見つかるきっかけになりと思います。
自分年表のような感じですね。
その人の「今」を形成している「根っこ」を知ることからアセスメントは始まるのです。
アセスメントは、ただ客観的に分析するだけではなく、そのなかに利用者の意向や希望をしっかりと反映させていかなければなりません。
ただし、利用者の主訴がそのままニーズになりのではなく、生活の不自由さを訴えるその言葉の奥に秘められた、
本当の思いや希望を見極める必要があります。
まとめ
ICFにおける生活機能と各因子との相互作用について理解する。
ICFやストレングスの視点を介護の実践に応用する視点をもつ。
ICFに基づくアセスメント方法と生活目標の設定について考え方を学ぶ。
このような、介護の現場で使われる、ICF(国際機能分類)でご自身に当てはめることで、
多角的に客観視できるツールとしてみると、介護の専門職としての学びの楽しさを感じてもらえるのではと思います。
もし、転職ややりたい仕事を探している、または、介護のお仕事をしているけど、
モチベーションが上がらないときなどりましたら、参考にしていただければうれしく思います。
※また、ICF(国際生活機能分類)の説明箇所につきましては、中央法規:介護の基本書Ⅰを基に記事にしています。
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