仕事は「教わる」より「見つける」ものだった|介護現場で気づいた「学びの本質」

介護職を通じて気づき

【介護職を通じて気づいた、あらゆる仕事に通じる「学びの極意」】

※この記事は2025年6月28日に更新されています。

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あなたは今、仕事の「学び方」にモヤモヤを感じていませんか? 本を読み、研修を受け、先輩に教わり…それでもなぜか成果が出ない。成長を実感できない。

実は、私もそうでした。 28年間、数字とノルマに追われる営業の世界で生きてきた私が、50代を迎え、未経験で飛び込んだ介護の現場。そこには、私の「学び」に対する固定観念を根底から覆す、驚くべき真実が隠されていました。

それは、「仕事の本質的な学びは、現場の中に見つけるもの」だということ。

介護の仕事は、ご利用者様の「課題」を見つけ、それを「解決」する連続です。しかし、この「課題解決」の視点こそ、実はどんな業界、どんな職種にも共通する、普遍的な「学びの本質」だったのです。

この記事では、介護現場で日々実践している「観察(アセスメント)」の視点をヒントに、あなたの仕事の学び方を変革する「気づき」をお届けします。

なぜ、「学んでも結果が出ない人」がいるのか?

あなたは、「結論から言うと、その教わる仕事の『ニーズ』と『デマンド』を理解することです」と聞いたら、どう感じますか?

「ああ、またその話か」と思ったかもしれません。営業や自己啓発の本で散々語られている「ニーズとデマンド」。しかし、介護の現場でそれを「本当の意味」で実践するようになって、私は気づきました。これこそが、成果に繋がる学びの「核心」だと。

ニーズ(Needs)とは、ご利用者様にとって「本当に解決すべき課題」です。これは、本人が言葉にしない奥深くに隠されていることもあります。 一方、デマンド(Demand)とは、本人やご家族から発せられる「一時的・表面的な要望や欲求」です。

あなたの仕事に置き換えてみてください。上司からの指示や、顧客からの問い合わせ。それが、本当に仕事を進める上で「必要不可欠なこと(ニーズ)」なのか、それとも「単なる上司の要望や、メーカーの都合(デマンド)」なのか、区別できていますか?

この見極めこそが、介護職においてはご利用者様の自立と満足度を左右する生命線であり、実は、あらゆる仕事で成果を出すための「学びの土台」なのです。

介護の現場で日々実践している、この「ニーズとデマンド」の見極め方、そしてそこから得られる情報の活かし方を、私の実体験を交えて具体的にお話しします。介護での経験は、まさに「人生の教科書」だと確信しています。

仕事の学び方を変える「ニーズとデマンド」の真実

たとえば、介護の現場でご利用者様が「外に出たい」と要望されたとします。 その言葉通りに外出支援をすることは簡単です。しかし、それが単なる「気分転換」なのか、「何か用事があってのこと」なのか、「自分で歩いて外に出たい」のか…その目的や方法、背景まで深く探らなければ、真の自立支援や満足には繋がりません。

意味特徴
ニーズ利用者にとって「解決すべき生活上の課題」。把握に時間を要するが、真の自立支援・満足感につながる。
デマンド利用者や家族が「叶えたい要望、欲求」。一時的な満足感は得られるが、繰り返したり増大することもある。

(参照:『第5巻 介護過程Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 介護福祉士養成 実務者研修テキスト』一般財団法人 長寿社会開発センターより)

デマンドが同じでも、その背景にあるニーズが違えば、提供すべき支援は全く異なります。

  • 「外に出たい」の背景1:気分転換が希望で、花を眺めるのが趣味
    • 支援すべきは? → 公園への散歩や、庭での花壇いじり
  • 「外に出たい」の背景2:役所に行きたい用事がある
    • 支援すべきは? → 事務手続きの補助、同行支援

この視点は、上司からの指示や、お客様からの商品問い合わせにもそのまま当てはまります。お客様が「この商品の詳細を知りたい」と問い合わせてきたとき、その「問い合わせ意図」が、単なる情報収集なのか、他社比較なのか、あるいは特定の課題解決のための手段を探しているのか。その背景を見極めることが、本当に相手の期待を超える結果を生み出す鍵なのです。

「教わる」時に「意味」と「具体性」を深掘りする技術

「教わったことをそのまま実践しているのに、なぜかうまくいかない…」

そんな経験はありませんか? その原因は、教わる内容に「具体性」と「意味」が欠けているからです。

例えば、介護現場で「夏場に水をたくさん飲んでいる」という情報を得たとします。しかし、「たくさん」とは具体的にどれくらいなのか? ご利用者様が「たくさん飲んでいる」と思っていても、それが本当に適切な量なのか、飲水量を把握しなければ判断できません。

教わる内容を、より深く理解し、成果に繋げるためには、以下の問いかけが不可欠です。

  • 「魚が好き」 → 「白身の魚? 青魚? 煮付け? 焼いたもの? どんな調理法が好きですか?」
  • 「話をするのが好き」 → 「誰と? どんな話題で? どれくらいの時間話したいですか?」

これは、仕事においても同じです。上司から「この企画書を作って」と指示されたら、単に言われた通りの資料を作成するのではなく、「誰に(ターゲット)」「どんな目的で(ゴール)」「この企画がどういう意味を持つのか(背景)」まで掘り下げて確認することで、初めて「結果に繋がる企画書」が生まれるのです。

想像力を働かせることも大切ですが、その根底には、得た情報が「ニーズ」なのか「デマンド」なのかを常に意識することが不可欠です。

「仕事の全体像」を見抜く情報整理術:フェイスシートに学ぶ

では、具体的にどのようにして必要な情報を集め、整理すればいいのでしょうか? 介護職では、ご利用者様の「その人らしい生活」「自立した生活」を実現するための個別サービス計画を立てるために、あらゆる情報を収集・整理します。その核となるのが「フェイスシート」です。

フェイスシートには、ご利用者様の「年齢、性別、生年月日、入所の経緯、既往歴や現病歴、要介護度、家族構成、生活機能(ADL/IADL)、趣味、信念、本人や家族がどのような生活を送りたいか」など、多岐にわたる情報が記載されています。

引用元:訪問看護記録書Ⅰ(フェイスシート)の帳票作成はカイポケ訪問看護|カイポケ訪問看護

これらの情報を前にすると、「どこから手をつけていいか分からない」と混乱することもあります。そこで重要になるのが、「情報の整理」です。

私たち介護職は、ICF(国際生活機能分類)という視点を用いて情報を整理します。ICFは、単なる病気や障害だけでなく、「生活機能(心身機能・身体構造、活動、参加)」と「背景因子(環境因子、個人因子)」という多角的な視点から、その人の全体像を捉えるフレームワークです。

ICFシートを通して、フェイスシートで得られた情報(既往歴、服薬状況、ADL、家族状況など)が最新か、支援する上で不足している情報はないかを確認します。情報が足りなければ、再度フェイスシートに戻って必要な情報を収集し直す。このプロセスを繰り返すことで、ご利用者様一人ひとりの「その人らしさ」を深く理解し、「真に望む介護過程」を展開することができるのです。

この情報整理術は、ビジネスの現場でも非常に有効です。

  • 営業マンが商品を覚える時:単に特徴を覚えるだけでなく、商品の「コンセプト」を深く理解し、「どんな経緯で誕生したのか」「既存商品と何が違うのか」といった背景まで把握することで、顧客の潜在ニーズに響く提案が可能になります。
  • マーケティングでターゲットを分析する時:単なるデモグラフィック情報だけでなく、その層の「価値観」「ライフスタイル」「購買に至るまでの感情」といった背景情報をICFのように多角的に整理することで、刺さる戦略が生まれます。

介護職は「人生の教科書」だった|50代で気づいた「学びの愉しみ」

介護の仕事に就いてまだ2年足らずですが、多くの自己啓発本で語られる「成功の原則」や「本質的な学び方」が、この介護現場の日常に驚くほど共通していることに、私は日々、感動を覚えています。

「営業で商品が売れないなら、ニーズとデマンドに着目することが大切だ」

このシンプルな真理に、私は介護職になって初めて、本当の意味で気づかされました。かつて営業時代は、成績のことで頭がいっぱいで、目の前の数字に囚われていました。しかし、本当に大切なのは、「欲しい人に、欲しいものを、欲しいときに届ける」こと。介護の現場でも、この視点や考え方が常に求められます。

こんな気づきがあると、仕事に対するモチベーションは、まるで新しいゲームを始めるかのように上がっていくものです。

もしあなたが今、「仕事の意味を見直したい」「もっと自分の力を活かして働きたい」と感じているなら。そして、学びから人生をもっと楽しくしていきたいと願うなら、ぜひ「介護職」という選択肢にも目を向けてみてください。

きっと、あなたの「学び直し」と「人生の再起動」の、かけがえのないスタートラインになるはずです。

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