仕事の学び方 介護の現場視点から解説します。

介護職を通じて気づき

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介護の仕事は、ご利用者にどのような課題があり、それをいかに解決していくかを常に行う仕事です。

しかし、このことは、介護の業界のことだけではなく、あらゆる仕事の現場での学ぶ視点に共通することのように感じています。

そんな介護職の現場で行っている、日常の観察(アセスメント)をヒントに解説してみたいと思います。

どのように、仕事を学んでいくことが結果をだせるのか。

結論をいうとその教わる仕事のニーズとデマンドを理解することです。

ニーズとは介護の仕事で言う場合は、利用者にとって解決すべき課題です。

デマンド(要望、欲求)は本人や家族から発せられる主観的なものです。

一般的には、教わる仕事のニーズ(仕事をする上で基本となること、必要不可欠なもの)なのか、

それとも、それはデマンド(上司の単なる要望、もしくはメーカーからの商品を販売して欲しいだけの要望)なのかを区別して理解することになります。

おそらく、このようなことは、営業関係の自己啓発の本では、たくさん書かれていることかも知れません。

介護職でも、利用者に対して一般的考えることで、介護職には欠かせないポイントになります。

このことからも、介護職で学ぶこと、研修などで学ぶことは、介護以外の職種でも、共通していることで、また人生で学ぶべきことでもあり、介護での仕事経験は、人生の教科書といえると感じています。

私は現在、介護施設の現場で働いていますので、そんなニーズとデマンドを区別する大切さ、

情報を得る中で、日々、実践している介護職での着眼点でご説明させていただければと思います。

仕事を学ぶ上でのニーズとデマンドの解釈として

たとえば、利用者が、「外に出たい」という要望があったとします。

その要望に応じて、外出の支援をすることは簡単です。

しかし、外に出たいのは気分転換がしたいからなのか、何か用事があってのことなのか、歩いて外に出たいのかなど、その目的や方法などの背景に沿った支援が提供できなければ、利用者自立を促すことも、満足を得ることもできません。

このことは、上司の指示であったり、お客様が商品の問い合わせをいただいた時にもその問い合わせ意図が大変重要であることを意味しています。

私たち介護職も介護を展開していくうえでは、ニーズ明らかにすることがもっとも重要なことであるといえます。

意味特徴
ニーズ利用者にとって解決すべき生活上の課題把握に時間を要するが、利用者の自立支援・満足感につながる。
デマンド利用者や家族がかなえたい要望、欲求一時的な満足感は得られるが、要望や欲求は繰り返したり増大することもある

第5巻 介護過程Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 介護福祉士養成 実務者研修テキスト 一般財団法人 長寿社会開発センターより

また、デマンドが同じであっても、支援する内容が異なる場合もあります。

外に出たい背景→

気分転換が希望の場合は情報収集をして花を眺めることが趣味である場合があります。であれば支援すべきは、公園の散歩となります。

用事がある場合の背景→

情報を収集して役所に行きたいなどがあります。であれば、支援すべきことは、事務手続きの補助とあります。

仕事の学び方として、教わる内容について、情報を集める。

指示、説明の内容は具体的に情報を得ること

たとえば、介護の現場では、「夏場に水をたくさん飲んでいる」という情報を得たとします。

利用者本人はたくさん飲んでいると思い、そのように介護職に伝えるかも知れません。

ですが、実際にどの程度飲んだかは、飲んだ量を把握しないとその量が多いのか少ないのかが判断できません。

結論的には、教わる内容には、理解を深めるために、具体性を持たせることが重要です。

(例)

魚が好きが→

・白身の魚が好き

・焼いて食べることが好き

話をすることが好き→

・〇〇の話題が好き

・誰かと世間話するのが好き

など、たくさん想定されます。想像力を働かせることも大切ですが、これも、やはり、情報がそもそも、ニーズなのかデマンドなのかを理解しておくことが大切になります。

仕事を学ぶときに必要な情報とは

必要な情報とは、

介護職では、利用者の「その人らしい生活」「自立した生活」の実現を目指し、個別サービス計画を立案、実施するために必要な情報を考えてみます。

もし営業マンが、商品の説明を覚えることが必要な場合には、商品のコンセプトを確認して、その商品の情報を考えてみます。

そして、介護職であれば、「その人らしい生活」の「その人」に着目するには、これまでの生活がどのようなものだったか、どういった考えで生活しているのかを把握する必要があります。

もし商品のコンセプトなら、何か今までと違うものなのか、どういった経緯で誕生したのかを把握する必要があります。

介護職での情報収集の実際

利用者がどのような人なのかを考えるとき・・・

支援を必要とする利用者のすべての情報を収集し、把握する必ことは困難です。

ですので、収集した情報からこの利用者がどのような人なのかを考える必要があります。

そこで、介護の現場では、フェイスシートを利用します。

フェイスシートでは、年齢や性別、生年月日、入所の経緯、既往歴や現病歴、要介護度や家族の情報、生活機能、趣味や信念、本人や家族がどのような生活を送りたいかなどが記入されています。

※生活機能とは日常生活動作ADL(食事、排節、歩行など)や手段的日常生活動作IADL(交通機関の利用や金銭管理)

フェイスシートのイメージ画像として

引用元:訪問看護記録書Ⅰ(フェイスシート)の帳票作成はカイポケ訪問看護|カイポケ訪問看護

フェイスシートで得られた情報は既往歴や服薬状況、ADL、家族の状況などさまざまです。

どこを支援するべきか検討するときに、多くの情報で混乱を招くことがあります。

そこで、利用者本人が望む介護過程を展開するために、情報の整理が必要となります。

その情報の整理に有用な視点としてICFを用います。

ICFのシートで得られた情報を確認すると、その情報が最新のものか、支援するのに抜けている情報はないかを判断することができます。

ICFのシートで確認できないもの、情報が不足しているものがあればフェイスシートを再確認し、必要な情報を収集していきます。

ICFの画像を入れる。

まとめ

介護の仕事についてまだ2年も経ちませんが、多くの自己啓発本の内容の基礎的な考え方、視点は、共通していることに驚かせられます。

おそらく、営業で商品が売れない場合には、ニーズとデマンドに着目することが大切だと思いました。

以前は営業の仕事をしていましたが、成績のことで頭がいっぱいだったことを思いだします。

商品は、本来、欲しい人に欲しいものを欲しいときに届けることが大切です。

介護の現場でも、同じ視点や考え方が求められます。

こんな気づきがあると、また、仕事についてモチベーションが上がっていくのではないでしょうか。

もし、仕事を変えて、再出発してみたい、学びから人生を楽しくしていきたい方に、ぜひ、介護のお仕事もご興味を持っていただけると嬉しく思います。

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