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介護職は利用者の日常生活で、たとえば、食事やトイレなど、必要な介助をすることが仕事には違いはないのですですが、
実は、介護職としては、その行う介助の必要性の背景に目が届くこと、そして客観的に事実を把握、記録することがもっとも大切なお仕事です。
介護職とは?介護職の存在意義とは何?
介護職としては、利用者に対する日常の介助を通して、その背景にある課題(ニーズ)を観察、洞察することです。
そして日々の観察したものを記録していくお仕事になります。
介護職に必要な観察力とは、
相手の表情や顔色、服装、髪型、しぐさ、癖などの「目に見える部分」を細かくありのまま見る力を指します。
日常的にかかわる利用者に目を向けることで、いつもと違う「何か」に気付くことができます。
そして、その「何か」が生じた理由を探ることは、利用者の望む生活につながる大事な糸口になります。
毎日、目にしているあらゆる物事について、私たちは、無意識にも観察をしています。
ですが、事実について、どう感じているかという主観的な感情の方が記憶に残りやすいと思います。
ですので、性格な情報の意味を理解したり、解釈をすることが時にはできていないことが出てきます。
もう一つ、介護職に必要な洞察力があります。
洞察力とは、相手の体調や心理状態などの「目で見えない部分」を推察したり見抜く力を指します。
観察力と洞察力は別々のものではなく、観察力がなければ洞察力にはつながりません。
今、目の前で起きている事象に対し、その本質に迫るためには欠かせない力です。
観察力と洞察力は、仕事の特性上、他人とかかわる介護職には重要な意味をもちます。
利用者や家族、あるいは、同僚とのかかわりで、相手を観察することから得られるものは、「良好な人間関係」の構築につながります。
介護職には観察したことを記録することも大切でしす。
介護職は、記録を書くことが求められる専門職です。
記録がないことが、検討していない、取り組んでいないこととされてしまいます。
記録をとる目的は、あくまでも利用者の自立支援に役立てるためであることを意識します。
ですので、主観的な個人の感想になってしまうと、事実を伝えられなくなる恐れが出てきます。
私自身の介護の仕事以外のことを振り返ってみても、
最初に観察した(目の前に起きていること)ことを、おそらく、それを見て、何かを感じると思うのです。
そして、その感じたことが記憶に定着して、事実よりも、自分の印象や好き嫌いで、見てしまう傾向があります。
介護職の立場からすると、利用者の観察時にそのような事を記録してしまっては、何が問題なのか、何を意味している記録なのかが、わからなくなり、記録自体が無意味になってしまいます。
記録が生きる「介護計画」とは
介護計画の「計画」とは、実現しようとする目標と、この目標に到達するために必要な方法を示すものです。
介護計画(個別援助計画)の流れについて
介護職員も作成することのある介護計画(個別援助計画)とはどのようなものか?
介護記録は、この計画をつくる根拠にもなり、計画を実施した結果にもなります。
計画の流れとは
①アセスメント
②計画立案
③計画の実施
④評価分析
⑤再アセスメント
対象となる利用者さんがサービスを利用し続ける限りこの流れは繰り返されます。
介護計画とケアプランの違い
介護計画は、総じて「ケアプラン」と言われます。しかし、介護支援専門員(ケアマネジャー)が立案する「ケアプラン」と介護職員が立案する「介護計画(個別援助計画)」は違います。
この2つの計画の流れは同じですが、細かく見ると共有すべき点に気づきます。
共有すべき点 |
①利用者さんの困りごと、課題(ニーズ) ②目標(長期目標と短期目標) |
違う点(サービス内容) |
「ケアプラン」→大まかな内容 「介護計画」→より具体的な介助内容 |
・ケアプランとは、
看護やリハビリテーションといった他職種がそれぞれの計画を立てて持ち寄り、利用者の意向に沿ってケアマネジメントを行った結果です。
・介護計画(個別援助計画)とは
介護職の単体の計画となるため、見てわかるような行動レベルで、より具体的な方法を書きます。
この「介護計画(個別援助計画)」では、介助方法の根拠を明らかにすることが必要です。
判断の根拠を明確にします。
介護計画では、介助の「判断の根拠」を説明できるよう次の3点を意識しましょう。
①妥当性(利用者の状況に適した介護方法であるか)
②目的(なぜ、その介護が必要か)
③方法(なぜ、その方法で介護するのか)
なぜそのように判断したかを説明できるように、頭の中で考えているプロセス(思考過程)を文字にすることが重要になります。
介護職の専門性としての観察とは
介護の専門性は観察!それを記録しよう!
観察が介護の専門性
介護職員が専門性を発揮しているところに、観察があります。
多くの介護職員は無意識に、多くを観察し、日々の生活との違いを見いだしています。
たとえば、デイサービスを利用している方を迎えにいく際には、頭の中で前回の送迎時と比較し、利用者宅前から観察が始まります。
①自宅前の落ち葉の散らかり具合や歩道状況
②自宅前に車を止めても、他の通行の妨げにならないか
③門を開けておくと、利用者が通る際に突然閉まらないか
④玄関までに転倒するような危険はないか
⑤インターホンを押したときの音、家族が反応するまでの時間に違いはないか
⑥玄関の明るさは靴を履くのに十分か
この観察点は、アセスメントの中の情報収集に入ります。
「そのまま書ける!早引き介護記録の文例・表現辞典(ナツメ社)」P.256より引用しています。
アセスメントとは
「情報収集」と「情報の分析・解釈」で構成されています。
その理由としては、
「情報収集」とは「あるのままの事実」であり、
「情報の分析・解釈」は「自らの考え」となるからです。
また、情報収集の注意点は、一方通行にならないようにすることです。
利用者から一方的に聞き取る、といった情報の取り方は、有益ではありません。
情報を得るときには、利用者と介護職員が双方向でやりとりします。
・介護職員が利用者から情報収集する。
・介護職員から利用者へ情報提供する。
この利点は、
①利用者が置かれている状況や困りごとに対して、介護職員が把握していることと一致しやすい。
②利用者の思いや意見を伺いながら進めていくため、提案しやすい。利用者の「自己選択」や「自己決定」を促しやすい。
③介護過程の各段階においても、利用者が望む、より良い生活を理解しやすい。また、協力しあう関係を保ちやすい。
記録時の注意点
情報収集したことを記録するとき、「持ち得ているすべての情報を、事実のみありのままに書き込む」ことが大切です。
利用者との会話はできるだけ、略すことなく、やりとりをそのまま記載する。
まとめ
介護の仕事をすることになり、これまで、あらゆる物事を、主観的な見方でしか
できていなかったことに気づくことができました。
客観的に見る思考ができていないと、
良好な人間関係を築くこともできないと感じています。
昔から自分の意見を持つことや、どう感じているのかを常に大切にしておかなければならないと教えられたように思っています。
このことは、とても大切なことですが、
その前に客観的に見ることができていることが前提だと思うのです。
その上で、解釈や理解の中で、自分の意見を持つことは大変意味のあることだと思います。
客観的に見ることで、事実の情報が集まります。
その客観的に見た情報が多いほど、分析する、理解する、自分の意見の内容に信憑性が出てくると思うのです。
私たちは、本当に欲しいものを買うときは専門店に行くと思います。
それは、たくさんの(ありのままの事実)商品があるからだと思います。
現物がなくても、お店に沢山の客観的に見れる情報があればあるほど、本当に欲しいものが手に入る可能性が高いと思います。
介護の現場でも利用者の日常の客観視された情報が事実ありのままに記載されていてこそ、
本当のその利用者の課題(ニーズ)、そして欲している要望が導きだせることになります。
その記録された情報を基に介護職では、
①将来予測と介護の根拠の明確化
②利用者の尊厳保持と選択の自由の保障
③多職種連携
をしていきます。
実務者研修で学ぶ、「人間の尊厳と自立」、「社会の理解」、「コミュニケーション技術],
発達と老化の理解」、「認知症の理解」、「障害の理解」などを、知識として学ぶことは、大切です。
これらの知識が、土台となる観察視点だからです。
とくに、人間として利用者の尊厳と自己決定を尊重することは、介護職として忘れてはならないことです。
同時に、的確な技術を身につけることは、利用者の日常生活上の課題を軽減し、快適に暮らせるための支援を実践できることにつながります。
このような学びに気付くことは、仕事を通じてしかできないのかも知れないほど、貴重なことだと思います。
それでなくても、年齢を重ねるごとに自分自身の経験が偏見を生みやすくなります。
客観的に見るためのベースを介護の研修では、学び、実務にいかしていきます。
もし、そんな人間的にも学びがあるお仕事として、介護の仕事にご興味をもっていただければ、幸いです!
※今回の記事は、「そのまま書ける!早引き介護記録の文例・表現辞典(ナツメ社)」と「一般社団法人 長寿社会開発センター 介護福祉士養成実務者研修テキスト」を参照、引用させていただいています。
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