介護職に必要なアセスメント能力とは?それは、誰でも常にしていることです!

介護職の日記

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介護職の仕事を始めるようになって介護職に限らず、私たちが、生きていく上で、必要な能力とは何か?

それは利用者のアセスメントをする力です。

利用者を観察して、昨日とどう違うか?

間違い探しのような観察に尽きると思います。

このことは、無意識に常日頃から誰でも行っていることだと思うのですが、

改めて、介護のテキストで読んだりすると難しく感じますね。

介護の現場で求められるアセスメントの能力などは、実は、生活の中でも、誰もがしている行動です。

介護職の必要なアセスメント能力とは?

本来、アセスメントとは人物や環境などを客観的に評価するという意味ですが、

介護におけるアセスメントとは利用者のニーズを発見し、それに沿った支援を行うため、

情報を収集、整理、分析したうえで、生活課題を明確にすることです。

これは、その人らしく自立した生活が実現できるようにするには、どのような介護支援やサービスが必要なのかを示すことにつながります。

※生活課題とは、日常生活を営むうえで困ることや、不自由、不便に感じることに対して、解決すべき課題を示します。

介護におけるアセスメントの役割とは?

たとえば、筋トレをして、自分がイメージした体とトレーニング内容が違うと、

イメージしていた肉体は手に入らないことになります。

それと同様に誤ったアセスメントをしてしまうと、

利用者の望む生像とは程遠いものになってしまい、その人らしい生活が営めない可能性があります。

介護のアセスメントとは、その人らしく生活を営めるようにするためのレシピ、設計図のようなもので、

今後を左右する大切なものです。

アセスメントをするときの、行動と思考過程との関係とは?

人は何かをしたりする時には、考えや目的をもって行動しています。

たとえば、旅行をするという行動には、どのような目的があるでしょうか。

気分転換をしたい、見たことのない景色を見たい、遺跡をめぐりたい、仲間と盛り上がりたいなど、いろいろな目的があります。

また、意識しないと明確にならない場合もありますが、その目的には理由やきっかけ、意図(動機)が必ず存在しています。

旅行をするのであれば、気分転換をしたいと思うのは、

嫌なことがあったから、

見たことのない景色を見たいから、

遺跡めぐりや仲間と盛り上がるのが好きだから、

という意図や動機があるからです。

そして、人は行動する際には、自分にとって意味のあることを考え、有意義なものにしたいと考えます。

たとえば、誰かと食事に出かけるとした場合でも、

食事をするのだから、

たくさん話をしたい、

美味しいものを食べたい、

くつろぎたい、

と自分にとって有意義でプラスな意味を持たせると思います。

では、楽しい旅行にすることや、思い出に残る旅行にするためには、どのようなことを考えるでしょうか。

いつ、どのような工程で旅行に行くのか、

誰と行くのか、

予算はいくらまでで、

移動手段や宿泊先はどうするのかなど、

具体的に考えるでしょうし、

その旅行先にある楽しみや観光スポットを事前に調べると思います。

そのようにして、目的い対して思考をめぐらせていくと思います。

行動目的
旅行にいく楽しみたい

旅行に行きたい場合に思考することは、おおよそ、次のようなことを想像するのかと思います。

予算は、いくらまで大丈夫かな、

あの場所に行ってみたいけどどうなのかな、

いつだったらみんなの都合がつくのかな、

どうやって行けばいいのかな、

宿の手配は誰がするのかな、

宿泊先で食べられないものは出ないかな、

お土産は誰に買って帰ろうかな、

人気のお店は事前に予約しておいた方がいいのかな、

自分の休みは取れるのかな、

みんなが楽しんでくれるかな、・・・

このようなことを想像すると思います。

アセスメントの思考過程と介護の現場での思考過程(介護過程)について

1.介護現場ででの思考過程も考え方は同じです。

思い出に残る旅行をする、楽しむために旅行をする、など、

いろいろ考えて旅行計画を練る思考過程は、介護における思考過程と同じです。

人は誰しも、よりよく生活したいと思っていますし、

利用者の「その人らしさ」「自立した生活」を目指すべく、

さまざまな情報をもとに計画することがよりよい生活の実現に近づきます。

行動目的
旅行旅行に行く楽しみたい!
日常暮らしていくよりよくしたい

2.介護の思考過程(介護過程)を実現するためには・・・

私たち介護職は、利用者が、よりよく暮らしていくために必要なことは何かを考えます。

そのためには、利用者本人の希望を聴取し、現在はどのような生活なのか情報を収集します。

そのうえで解決すべき課題を明確にするために、

情報を整理し分析・解釈を加え、生活課題を抽出していきます。

アセスメントの情報の分析・解釈とはどのようなものか。

1.情報からニーズを導くための分析として

得られた情報から、ニーズ(課題)は何かを考えていきます。

ニーズは「解決すべき生活上の課題」です。

その課題を解決するために得られた情報について、一つずつ問題になっていることは何かを検討していきます。

現在の状態・状況はどのようなものか。

情報収集して整理・分析します。

そして、課題を抽出していきます。

その中で介護職は生活上の課題に対する支援をしていきます。

その結果、ニーズが解決された状態になります。

アセスメントからニーズを引き出す方法とは?

ニーズを導き出す手法として、以下①~③の手順に沿って検討します。

①本人の発言に注目し、内容や意味を考える

②本人から得られない場合、収集した情報のなかで生活上の困りごとをあげる

③発言や困るごとに対し、現在、どのような状況にあるのか情報を整理する

たとえば、「出かける時間を多くとれるようになりたい」という場合には、次の可能性が考えられます。

A.出かける時間があっても、その時間が短いと感じている

B.出かける時間はあるのだが、身体状態から出かけることができない

C.出かける機会自体が少ない

本人が出かける時間を多くとれるようになりたいと思う理由はどこにあるのか、

多く時間を取ってしたいことは何なのかなど、情報を確認する必要があります。

時間については、普段出かける時間はどのくらいなのか。

現在の歩行状況はどうなのか

サービス内容や時間はどうなのか

多く時間をとれるようになりたいと思う理由は何なのか

などが想定されます。

アセスメントの分析の方法(情報と知識)

収集した情報を整理し、分析をする方法として、情報から判断する方法と知識を活用した方法があります。

たとえば、

(情報)1年前までは3時間外出できたのが、疲労が著しくなり、2か月前から1時間に減った。

→(分析)ここ最近、外出する機会が減少しており、下肢の筋力が低下している可能性がある。

(情報)最近、趣味である魚釣りに出かけなくなった。一緒に釣りをしていた仲間が入院した。

→(分析)友人と趣味を楽しめないことが、魚釣りに出かけなくなった原因である可能性がある。

アセスメントからの課題の抽出方法とは?

課題というのは、情報収集や情報の整理を行い、分析したうえで明らかになった、

利用者の生活上解決すべき課題です。

生活を問題なく営むうえで解決すべき事項は一つではなく、

さまざまな要因があり、身体機能や活動状況など、利用者自身に課題があるのか、家族関係や住居など利用者を取り巻く環境に課題があるのか明確にし、

それぞれ解決していく必要があります。

もし、抽出された課題が複数あるときには、一つずつ解決していくことが重要です。

①利用者本人がどの程度解決することを望んでいるのか

②日常生活を営むうえでどの程度重要な問題か

③早急に取り組む必要がある問題か

④課題を解決することにより利用者の自立につながるか

⑤その人らしく生活することができるのか

利用者の理想の実現に向けたニーズの捉え方

抽出した利用者のニーズは、本人が望んでいる状態像になっているのか確認する必要があります。

「現、出かける時間を多く取りたいのは、〇〇という理由があるからですね?」

「出かける時間多く取れない理由は○○ということがありますが、間違いないですか?」

と確認し、同意を取ることが必要です。

その際、「○○できないから」と、できない要因ばかり説明してしまうと、

利用者の欠点を説明しているように感じ、本人の同意を得られないだけでなく、かかわりを拒否されてしまうことにもつながる可能性があります。

利用者や家族に対して理解が得られるような説明が必要になります。

例えば、

「外出できない要因は病気にあるようですね。」

「家事が多すぎるのが問題ですね」

上記の話し方であれば、得られる協力も得られなくなる可能性が高くなります。

そういった場合には

「出かける時間を多く取りたいのですね。私たちは、ご病気でお困りではないかと考えたのですが、いかがでしょうか」

「日中、何かを支援をさせていただこうかと考えているのですが、どうでしょうか」

などと、本人の尊厳を守る説明を行い、一緒に課題を解決していこうとする姿勢が必要です。

問題解決型思考と目標思考型思考

私たちは利用者を支援するとき、できないことに対して原因は何なのかと考え、課題を取り上げがちです。

この考え方は、「問題解決型思考」といい、原因を利用者や取り巻く環境にあると捉えます。

しかし、支援を受けながら日常生活を維持していく期間は長期間にわたります。

できない原因ばかり捉えると利用者の尊厳を傷つけるばかりか、支援者も疲れてしまいます。

その場合、支援を受けたうえでの利用者の望ましい状態像を踏まえ、できることは何かを考え、

現存機能(残存機能)を活かしながら支援することが重要で、これを「目標志向型思考」といいます。

この考え方は、利用者が主体となって、目標に向かって取り組む考え方です。

利用者や家族、支援する介護職だけでなく、目標に向かって関係するすべての人や職種が協力していく体制づくりが可能になります。

アセスメントからの目標の設定

1.最終的な利用者の目標と中途目標(長期目標と短期目標)

利用者の最終的なゴールは、「その人らしい生活」の実現です。

その実現に向けて目標を掲げ、支援していくことになりますが、現実とあまりにもかけ離れた目標では利用者の意欲を引き出すことができません。

利用者の望ましい状態像を正確に捉え、実現できる目標を設定していくことになります。

目標を設定するうえでは全体的な支援方針を掲げ、それを達成するための長期目標と、その長期目標に段階的に取り組める短期目標を設定することになります。

・全体的な支援方針のポイント

1。利用者のニーズが解決された状態像をイメージする。

2.利用者が主語になるように記述する。

3.「利用者が○○の状態になる」 「利用者が○○できる」など具体性をもたせる。

4.実現可能でわかりやすい内容にする。

5.1年後の状態像で記述する。

2.利用者の「なりたい自分」を目標に

利用者の「なりたい自分」は、要望であることもありますが、その要望の具体的内容を探ると解決すべき生活上の課題であることが多く、その課題を達成するためには、利用者や家族が想像している支援内容と異なることがあります。

このような場合、介護職は、得られた情報からどのように判断したのか、抽出した課題は何か、課題が解決できないとどのような予後が予測されるか、なりたい自分を目指すためにはどのような長期目標、短期目標を設定するのかなど、介護職のアセスメントについてわかりやすく説明することが必要です。

説明のポイント

1.わかりやすく説明する。

2.理由や根拠を明確にする。

3.一緒に取り組むことを伝える。

4.必ず同意を得る。

アセスメントからの具体的援助項目として

1.設定した目標を実行するためには

①目標と実施内容を利用者や家族と共有すること

設定した目標と実施内容を利用者や家族と共有しないと、介護職がこれから何をするのかわからないだけでなく、利用者が主体的に取り組むことが難しくなります。

「○○という目標を設定しました。そのためには、△△について一緒に取り組みたいと思うのですが、よろしいですか?」

と説明し、同意を得ます。

利用者しか取り組まず介護職が観察する内容や、逆に利用者は何もせず介護職だけが取り組む内容などは、利用者が主体的にとりことが難しくなります。

2.支援内容が具体的になるように、目標も具体的であること

設定した目標が「○○の状態になる」 「○○できる」と具体的な記述になれば、連動してどのように実施すべきか、具体的に検討することができます。

3.実施内容に継続性があること

目標に向かい取り組む内容は、その場限りのものではありません。

サービスは継続的に提供されることから、介護職も利用者と長期的にかかわることが求められます。

そのため、取り組む内容が利用者や家族にとって、負担にならないものを検討する必要があります。

4.評価ができるもの

支援する内容が利用者にどのような影響を与えたのかを振り返り、内容に問題が生じた場合は修正を行う必要があります。

順調な経過を辿っていれば支援を継続する、あるいは次の目標を掲げて支援することになります。

そのためには、できたこと、できなかったことを測定し、評価できるよう具体的な支援内容を検討する必要があります。

また振り返り、評価した内容を積み重ねることで、利用者にとって個別性のあるサービス

内容を検討することもできますし、ほかの利用者への支援に必要なケースでも活用することができます。

その積み重ねが介護サービスの質の向上につながっていきます。

まとめ

アセスメントは日々、誰でもしている行為です。

それを意識的に行うことが介護の仕事の役割になります。

そして、つねに客観的に物事を見ることが求められます。

このことは、介護の仕事をすることになり、改めて、テキストで読んだことでもありますが、

実際、私たちの生活上の課題にも必要な考え方です。

何かの出来事に対して、イライラしたり、人の言うことが素直に聞けなかったり、ストレスが多いと思います。

ですが、そんな自分自身の感情も、客観的に物事を見る、今起きていることは、単なる事実であり、

感情を抱くのは、自分自身の判断だと思うようになりました。

嫌なことと感じるのは、自分自身の主観的な視点です。

そんな、風に思うと、嫌な感情に振り回されているのは、実は、それを自分が選択しているのかと思うと、

時間が勿体無いですね。

そんな学びも得られたことにも、介護の仕事に就いたからこそと思います。

また、もし、何か始めてみたい、そんな方がおられましたら、一度、介護のお仕事も検討していただければ幸いです。

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※一般財団法人 長寿社会開発センター 介護福祉士養成 実務者研修テキスト 介護過程テキストを参考にさせていただいています。

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