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介護サービスの仕事は、介護を必要とする高齢者や障害のある人への「生活支援」の仕事だといわれます。
その介護サービスが支える「生活とは」どのようなものでしょうか。
それは、ご利用者の一人ひとりのこれまで歩んでこられた人生を踏まえ、
現在の状況に配慮して、そのご利用者特有の課題やニーズを知ることで、
私たち介護職の者が生活の質が向上するように支援していくことです。
私は介護の仕事に転職をして2年目になります。
そして、私は今、自分がしている仕事について本当にご利用者の生活の支援ができているかを考えてみました。
自分自身の携わる仕事について、介護福祉士の実務者研修のテキストを振り返るなど、もう一度、初心にかえる必要があります。
従来では、食事、入浴、排せつの介助の「三大介護」だけを介護職の仕事と考える人もおられると思います。
介護サービスとは、利用者に障害があり、介護が必要な状態であったとしても、
身体介助を受けることを含めて、「その人らしい」生活を送ることができるように支援していくことを目的としています。
そして、介護職の者は利用者が障害や要介護の状態を抱えて生きることを支え、その人のQOLを高めていくことが求められる役割になります。
個別ケアとして、利用者の視点で考えてみる
ふだん、利用者の介護に携わっている介護職が、介護される側の世界に足を踏み入れたとき、どのように感じるものなのでしょうか。
生活とは、ただ、食事や清潔の確保、あるいは身体の健康維持といった目に見えるものを積み重ねるだけで成り立っているわけではありません。
目には見えない、一人ひとりの「こころ」のありようともかかわりながら、
その人なりの満足や納得、不自由さや不便さ等の思いや感覚等とも結びついたものとして、日々の生活は組み立てられていくものです。
したがって、「私の生活」と「あなたの生活」とでは、同じように思えたとしても、実は説明しきれないほどの違いがあります。
介護職が行うべき専門的な「生活支援」としての介護では、まずは、一人ひとりの利用者がもつその人なりの感覚や思いを尊重していくことが大切です。
そして、障害があっても、介護が必要な状態であったとしても、その人が納得できる日々を過ごせるように支援していく必要があります。
そのためには、「身体的な状態や生活行為」等の目に見える事象と、
感情や思い、意欲、プライド等の目には見えないこころのはたらきという、
二つの側面から利用者の生活を考えていく必要があります。
介護職は、このように身体とこころの側面から理解することで、
はじめて利用者主体の「生活支援」としての介護サービスを考えることができるといえます。
介護福祉士の実務者研修のテキストでは、介護職員が1日利用者体験をした、感想が紹介されています。
行動の理由には、必ず「こころ」が存在することを、私は身をもって体験することができました。
その「こころ」を大切にして、「こころない」介護をしてはならないと強く思いました。
「こころ」は目に見えないために気がつきにくく、また容易に隠すことができるものだと思います。
しかし、認知症に苦しむグループホームの利用者の人たちには、どこか違うよころがあるとも感じました。
認知症のために自分が何者かも忘れていく不安のなかで、私に示されたのは、人としての本当の優しさや慈しみではなかったでしょうか。
そして、そこには混じりけのないきれいな「こころ」と、それを見分けることのできる「こころ」が目に見えないけれども、確かに存在していたように思います。
その人らしさとは
その人らしさを理解するうえでは、今の姿や生活歴だけでなく、暮らしてきた姿=一人ひとりの価値観や生活習慣、体験、地域性、時代性等を考えることが重要な意味をもちます。
個別ケアの考え方とは
利用者には、一人ひとりの思いがあり、家族や友人などとの思い出があり、人生の歴史があります。
個別ケアという言葉には、実際的な介護現場での個別的な介護技術という意味合いと、
一人ひとりの人生の歴史を踏まえた個別的な生活支援という二つの意味合いが含まれているといえます。
介護職の専門性としては、その両方の「個別ケア」の意味するところを理解し、それぞれに対応していくことが求められます。
介護技術としての「個別ケア」
たとえば、食事摂取が困難な利用者といっても、その人の障害の状態や思い、残された能力等によって、介護職の行うべき工夫や配慮、必要とする専門的知識や技術は異なります。
食事の形態や姿勢、介助の方法の工夫とともに、看護師やリハビリテーションスタッフ、栄養士をはじめとする調理スタッフ等の関連職種との連携も不可欠となります。
また、利用者さん自身の行動の裏側にある「思い」を理解するだけではなく、食事の摂取量やバランスなどについても観察も必要とされます。
生活支援としての「個別ケア」
利用者の人生の歴史を踏まえた「個別的な生活支援」を考えてみると、
「生活支援」としての個別ケアを考えていくうえでは、
その人の要介護状態や生活している場のあり方はもちろんのこと、
その人の過ごしてきた人生のあり方、あるいは病気の種類や進行状態、年齢、
さらには、家族との関係や利用者自身がもつ人生観等といったことも大きな意味を有しています。
したがって、「生活支援」の視点から個別ケアの充実を考えていくのであれば、
本人ができないことを補うことだけを目的とした介護を行うのではなく、
利用者の残存能力を活かし、本人自身が主体的な生活を送ることのできるような
支援を行っていく必要があります。
また、同時にこれまでに過ごしてきた時間の重みを尊重するとともに、
「残された時間」ということも念頭におきながら支援していく姿勢が求められていきます。
個別性の多様化
現代社会において要介護高齢者が抱える問題は、
身体的に不自由になったとか、金銭的に困ったといった、わかりやすいものだけではありません。
孤独感や家族との関係、あるいは、認知症にみられるような知的機能の障害から
身辺の生活課題の処理ができなくなる、といった個別性の高い、複雑な問題も 起こってきます。
高齢期にける要介護状態での生活では、
一面では、老いにより障害を抱えて、死を迎えるまでの間、
どのような生活を送っていくのかということが課題になり得ます。
利用者が、生きてきた歴史を背負いつつ、最終的な人生の意味づけを行う時間でもあるのです。
介護の専門職は、利用者の過去を修正することはできません。
要介護状態での生活いおいても、生理的な欲求が満たされることは、
生きていくうえでの前提にはなりますが、
それと同時に、こころかの豊かさ、こころの安定といった精神的な価値も重要な意味をもちます。
したがって、介護サービスにおける利用者理解のためには、
単に身体機能や病気、障害といった観点からの理解だけではなく、
心理・社会的な側面からの支援課題についても考えていくことが必要です。
そのためには、利用者の気持ちに寄り添いながら、人生という長い時間のなかで、
今、必要な「生活支援」を考えていく姿勢が求められてます。
まとめ
今回は日々の振り返りとして個別ケアをテーマにテキストを復習してみました。
実際、介護現場ではいろんな思いで介護職の人はお仕事をされていると思います。
介護福祉士の実務者研修のテキストでは、本来の介護職としてのプロの立場を考えると
正しいこうあるべきということが、説明されています。
利用者も介護をする者も感情のある人間です。
ときには、やりきれなくなるぐらい疲弊してしまうことは当然あります。
このテキストのお話のような本来のあるべき姿を思い出すことで、成長のチャンスがあると思います。
介護のお仕事は本当に学びの多いお仕事です。
日々、人間として成長していきたいものですね。


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