私の勤める介護施設で、また新型コロナウイルスの感染者が出てしまいました。入職して2年、おそらくこれで5度目になります。経験を重ねるにつれ、以前よりは動揺しなくなったとはいえ、やはり感染者が確認されると、気の引き締まる思いがします。これ以上感染を広げないよう、普段以上に徹底した対策が求められるからです。
現在は、感染されていないご利用者様も居室での生活にご協力いただいています。フロアに出てこられる方には、その都度状況を説明し、お部屋へ戻っていただく日々です。このようなイレギュラーな事態は、経験の浅い私にとって、心身ともに大きな負担となりがちです。
「プロ」として感染対策から何を学ぶか
しかし、このような状況だからこそ、介護のプロとしての真価が問われるのかもしれません。尊敬する上司から「常に学び続ける意識を持つことが大切だ」という言葉をいただいたことを思い出します。今回のコロナ対応も、私たちを成長させてくれる貴重な機会だと捉え、前向きに取り組んでいきたいと思います。
感染症対策というと、マスクや消毒、換気などが思い浮かびますが、本当に大切なのは、ご利用者様の**「生活リズムを維持すること」**だと私は考えます。感染対策と聞くと、つい特別なことのように感じてしまいますが、専門職として、こうした状況下でもいかに普段通りの暮らしを提供できるかが重要になります。
感染症対策の鍵となる「ゾーニング」
今回の感染対策で特に重要になるのが**「ゾーニング」**です。ゾーニングとは、感染リスクに応じて施設内のエリアを3つに分ける方法です。
- 清潔区域(グリーンゾーン): ウイルスが存在しない安全な場所
- 汚染区域(レッドゾーン): 感染者がいる部屋など、ウイルスが存在する可能性が高い場所
- 準清潔区域(グレーゾーン): 清潔区域と汚染区域の間に設けられ、防護服の着脱などを行う場所
このゾーニングを適切に行うことで、感染の拡大を防ぐことができます。しかし、ただ物理的にエリアを分けるだけでなく、その中で生活されるご利用者様が安心できるよう、そして私たち職員が安全にケアを提供できるよう、動線や手順を確立することが大切です。
今回の経験を通して、私たちはただ感染対策を行うだけでなく、なぜその対策が必要なのか、どうすればご利用者様が安心して過ごせるのか、といった本質的な部分を深く学ぶことができます。感染症はいつ、どんな形で発生するか分かりません。だからこそ、日頃から学びを怠らず、どんな状況にも対応できる「プロ」であり続けたいと思います。



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