【介護初心者向け】「傾聴・受容・共感」ってどう違うの?現場で役立つ基本の心構え

介護職の日記

この記事はアフィリエイト広告を利用しています


はじめに

介護の仕事を始めたばかりの方から、よくこんな声を聞きます。

「“傾聴”ってただ話を聞けばいいんじゃないの?」
「“受容”って同意すること?それとも我慢すること?」
「“共感”ってどこまで寄り添えばいいのか分からない…」

実はこの3つ、「似ているようでまったく違う」心の姿勢なんです。そして、どれも介護の現場では欠かせない大切なキーワードです。

今回は、介護施設に勤める立場から、「傾聴・受容・共感」の違いを初心者向けにわかりやすく解説していきます。


1. 傾聴とは「耳を傾けて“心”で聴くこと」

「傾聴」とは、単に話を“聞く”のではなく、「相手の気持ちに寄り添って“聴く”こと」です。
介護の現場では、ご利用者が何気なく話している言葉の中に、本音や不安が隠れていることがよくあります。

たとえば――
「最近、夜が怖いんだよね…」という一言の裏には、
「一人でトイレに行けなくなった不安」や「転倒の恐れ」があるかもしれません。

ここで大切なのは、“すぐに答えを出そうとしない”こと。
相手の言葉を遮らず、うなずいたり、相づちを打ったりしながら「あなたの話を大切に聴いていますよ」と伝える姿勢が、信頼関係を築く第一歩になります。


2. 受容とは「相手のありのままを否定せずに受け止めること」

「受容」とは、相手の考え方や感じ方を、良い悪いで判断せずに「そう感じているんですね」と受け入れることです。

これは、自分と違う価値観や態度に対しても、批判したり指導したりせずに、まずはそのまま受け止めるという姿勢。

たとえば――
あるご利用者が、介助を嫌がって「私は自分でやる!」と強く反発したとします。
ここで「危ないからやめてください!」と否定的に返すのではなく、
「自分でやりたいというお気持ち、大切にしたいですね」と一度受け止めるのが“受容”です。

受け止めた上で、安全に配慮しながらどう関わるかを考えるのが、プロとしての対応です。


3. 共感とは「相手の気持ちに“寄り添いながら理解すること”」

「共感」とは、相手の立場や気持ちに心を寄せ、「わかります、その気持ち…」と感じることです。
ただし、「同情」ではありません。

共感は、相手と“同じ気持ちになる”ことではなく、「あなたがそう感じる理由、私にはわかりますよ」という理解を伝える行為です。

たとえば――
あるご利用者が、「昔はバリバリ働いていたのに、今は迷惑ばかりかけて情けない」と話したとき。

「そんなことないですよ!」と励ますのではなく、
「それだけ誇りを持って働いてこられたんですね」と共に感じる姿勢が“共感”です。

このような共感の積み重ねが、ご利用者の“自尊心”や“安心感”を支えます。


4. この3つはつながっている

「傾聴」「受容」「共感」は、それぞれ独立したスキルではありますが、実際の現場ではこの3つが連続して行われます。

① まず“傾聴”によって、相手の声に丁寧に耳を傾ける

② その上で“受容”の姿勢で相手の思いを否定せず受け止める

③ 最後に“共感”によって、気持ちに寄り添う言葉を届ける

この流れを意識することで、ご利用者との信頼関係はより深まり、介護の仕事がよりやりがいのあるものになります。


5. おわりに:テクニックよりも「人としての姿勢」

「傾聴・受容・共感」は、マニュアルで覚えるだけでは意味がありません。
大切なのは、目の前の人を一人の人間として尊重し、「この人を理解したい」という誠実な気持ちです。

介護の仕事は、人と人との関係性で成り立っています。
まずは、ご利用者の“声なき声”に心を傾けてみる。
そこから、あなたの介護の一歩が始まります。


◎この記事が役立つ人

  • 介護現場で働き始めたばかりの方
  • コミュニケーションに不安がある方
  • ご利用者との信頼関係を築きたい方

コメント

タイトルとURLをコピーしました