(この記事は2025年6月4日に更新されました)
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「介護施設への入所は、ご本人やご家族にとって大きな決断です。
しかし、どのような理由で入所を検討し、いざ入所となった時に家族関係を円満に保つにはどうすれば良いのでしょうか。
この記事では、介護施設への入所の主な理由と、介護が必要になっても家族の絆を深められる具体的な方法について解説します。
介護施設に入所する主な理由とは?
介護施設に入所する理由は多岐にわたりますが、厚生労働省の調査などによると、以下の点が挙げられます。
- 家族の介護負担が大きい:介護期間の長期化に伴い、ご家族の身体的・精神的・経済的負担が大きくなることが、入所を希望する大きな理由の一つです。特に、介護は愛情だけでは乗り越えられない側面も多く、専門家によるサポートが必要となるケースが増えています。
- 専門的な介護サービスの必要性:医療的ケアやリハビリテーションなど、ご自宅では提供が難しい専門的な介護サービスを受けたいというニーズがあります。施設であれば、緊急時の対応も迅速に行えるという安心感も大きいでしょう。
- 在宅介護の限界:自宅での介護サービスが不十分であったり、住宅の構造上の問題で介護が困難な場合もあります。また、在宅サービスの金銭的負担が大きいと感じる方もいらっしゃいます。

濱田孝一氏の著書『家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座』にもあるように、要介護期間が長期化する現代において、「家族がいるなら家族が介護すべき」「できるだけ自宅で介護すべき」とは一概には言えません。プロのスタッフに日々の生活支援や介護を任せることで、高齢者ご本人にとって快適で安心な生活を送れるだけでなく、ご家族も「優しい家族」「良い関係性」を維持できる場合が多くあります。
介護が必要になっても家族の絆を深めるには?
介護が必要な状況になっても、家族がいつまでも仲良く良好な関係を続けるためには、いくつか重要なポイントがあります。
1. 施設入所も選択肢に入れる
家族だけで介護を抱え込まず、必要に応じて介護施設や高齢者住宅の利用を検討することも大切です。プロに任せることで、家族は介護の負担から解放され、より精神的に安定した状態でご本人と向き合えるようになります。
2. 後悔しない高齢者住宅を選ぶための基本
高齢者住宅を選ぶ際には、後悔のない選択をするために、以下の点を深く掘り下げて検討することが重要です。
1. 焦らず、余裕を持って探す
介護問題は、骨折や脳梗塞といった予期せぬ事態によって突然発生することが少なくありません。しかし、その際に慌てて入居先を決めることは避けましょう。自宅に戻ることが難しい場合でも、ショートステイや老人保健施設(老健)でのミドルステイなどを活用することで、一時的な滞在先を確保し、次の生活の場をじっくりと探すための十分な時間を確保できます。焦りや不安から逃れるための選択ではなく、ご本人とご家族の希望を最大限に取り入れた「新しい生活の場」を見つけるために、時間的・精神的な余裕を持つことが何よりも大切です。このゆとりが、後悔のない決断へと繋がります。
2. 多くの施設を比較検討する
高齢者住宅は、サービス内容や価格帯が非常に多様化しています。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームなど、様々な種類が存在します。特定の施設に絞り込む前に、まずは関心のある地域で運営されている、種別の異なる5社から10社のパンフレットを取り寄せてみましょう。これにより、その地域の高齢者住宅全体の傾向や特徴を把握することができ、ご自身のニーズに合った選択肢が明確になります。多角的な視点から比較検討することで、より客観的な判断が可能になります。
3. 入居後の生活を具体的にイメージする
施設の豪華な建物や設備に目を奪われがちですが、本当に重要なのは、ご本人の身体機能や日常生活動作(ADL)に合わせた「移動のしやすさ」や「使いやすさ」です。例えば、車椅子での移動がスムーズか、手すりの位置は適切か、居室の広さは十分かなどを具体的にイメージしてみましょう。また、現在は要支援や軽度要介護であっても、将来的に要介護度が重度になった際に、その施設で生活し続けられるのか、そしてその際に費用がどの程度上がるのかといった点も、長期的な視点で確認しておく必要があります。
4. 疑問は納得するまで確認する
高齢者住宅選びは、ほとんどのご家族にとって初めての経験です。パンフレットやホームページで情報を収集しても、一度の見学ですべてを理解することは困難であり、契約書や重要事項説明書を読んでも新たな疑問が次々と出てくるのは当然です。分からないことはどんな些細なことでも、納得がいくまで質問し、曖昧な点を残さないようにしましょう。特に、転倒・転落などの生活上の事故が過去にあったか、事故を減らすためにどのような対策を講じているか、被害拡大防止のためにどのような取り組みをしているかなど、対応が難しい質問を投げかけてみることで、その施設の経営体質、ノウハウ、そして誠意を深く見極めることができます。
5. 現状を正確に把握する
高齢者住宅選びの出発点は、ご本人とご家族の現状を正確に把握することです。特に重要なのが、経済状況の確認です。「どのくらいの預貯金があるのか」「年金はいくら受給しているのか」といった金銭面を明確にし、月々の支払いが可能な高齢者住宅の価格帯を計算しておく必要があります。これにより、現実的な選択肢を絞り込み、無理のない範囲で最適な施設を探すことができます。
6. 積極的に情報収集を行う
インターネットは高齢者住宅の情報収集に非常に有効なツールです。多くの有料老人ホームはホームページを開設しており、中には契約書、重要事項説明書、さらには決算書まで公開しているところもあります。また、施設長やスタッフが日々の生活やイベントについて綴るブログなども参考にすることで、その施設の雰囲気や管理者の人柄、情報開示に対する意識などを測ることができます。これらの情報を事前に確認することで、見学時の質問内容をより具体的にし、効率的な情報収集が可能になります。
7. サービスと価格を詳細に比較検討する
資料請求で送られてくるパンフレットには、月額費用が提示されていますが、その費用に含まれるサービス内容は施設によって大きく異なります。例えば、食費や光熱費、レクリエーション費、追加の介護サービス費用などが含まれているか、別途かかる費用はないかなど、細部にわたって確認し、複数の施設のサービス内容と価格を横並びで比較検討することが不可欠です。表面的な価格だけでなく、トータルでかかる費用と受けられるサービス内容のバランスを見極めることが、後々のトラブルを防ぎ、満足度の高い入居生活を送るために重要です。
3. 要注意な高齢者住宅のサイン

以下のような施設には注意が必要です。
- 法令違反がある施設: 無届施設とは、都道府県などへの届け出をせずに運営されている施設のことです。このような施設は、介護保険や医療保険の適用外であったり、最低限の設備基準や人員配置基準を満たしていない可能性が高く、万が一のトラブルの際に適切な対応が期待できません。また、介護保険や医療保険の不適切な運用、不正請求を行っている施設も論外です。これらの行為は、利用者様の負担を不当に増やしたり、サービスの質を低下させたりするだけでなく、施設の信頼性を根本から揺るがすものです。入居を検討する際は、必ず自治体の認可を受けているか、過去に指導や処分を受けていないかなどを確認しましょう。
- 契約を急がせる施設: 「今すぐ決めないと部屋が埋まってしまう」「特別割引は今日まで」などと、契約を過度に急がせる事業者は要注意です。高齢者住宅は、一度入居すれば長期にわたる生活の場となるため、「売れれば終わり」というものではありません。入居後の生活の質が最も重要です。サービス内容や費用について十分に理解し、納得しないまま契約を進めてしまうと、入居後に「こんなはずではなかった」という不満やトラブルの原因となります。焦らず、ご家族で十分に話し合い、納得した上で決断できるような時間を与えてくれる施設を選びましょう。
- 情報開示や情報提供が不十分な施設: 契約書や重要事項説明書は、施設が提供するサービス内容、費用、退去条件など、入居に関する重要な情報がすべて記載された書類です。見学前にこれらの資料の送付を依頼した際に、「契約が決まってからお渡しします」と断るような施設は避けるべきです。契約前に内容を十分に検討できないことは、利用者様にとって大きな不利益となります。また、体験入居を実施していない施設も注意が必要です。実際に介護や食事などのサービスを体験し、ご本人がその環境で快適に生活できるかを最終的に判断する体験入居は、高齢者住宅選びにおいて不可欠な要素です。
- ご本人やご家族の話を聞かない施設: 優良な高齢者住宅では、単にサービスや価格の「入居説明」を行うだけでなく、入居を希望する高齢者やご家族の不安や状況、個別のニーズを丁寧に聞き取る「入居相談」に力を入れています。もし、担当者が一方的に説明を進め、質問や相談に対して真摯に耳を傾けない、あるいは話を遮るような態度が見られる場合、入居後も利用者様の声に耳を傾けない可能性が高いです。このような施設では、きめ細やかなケアや柔軟な対応が期待できないため、避けるべきでしょう。
- 説明に曖昧な言葉が多い施設: 説明の中に「少しぐらい」「こちらで何とかします」「たぶん大丈夫ですよ」といった、責任を伴わない曖昧な言葉が多い高齢者住宅は信用できません。特に、具体的なサービス内容や費用、緊急時の対応など、重要な事項について不明瞭な表現が多い場合は注意が必要です。このような施設は、トラブルやリスクに対する認識が乏しいか、あるいは意図的に情報を隠そうとしている可能性があります。疑問に感じた点は、具体的な数字や事例を挙げて明確な回答を求めるようにしましょう。
- スタッフの態度が悪い施設: 見学時に、説明担当者以外の介護スタッフの態度や言葉遣いが乱れていないか、注意深く観察しましょう。例えば、見学者に対して挨拶をしない、靴を踏んで歩いている、スタッフ同士で仕事に関係のない私的な会話が多い、入居者への態度が馴れ馴れしいといった様子が見られる場合は、その施設全体のスタッフ教育が不十分であり、基本的なサービス管理ができていない証拠です。このような環境では、利用者様への適切なケアや尊重が欠けている可能性が高く、入居後の生活に不安が残ります。

4. 高齢者住宅見学のポイント
有意義な見学のために、以下の点を準備し、実行しましょう。
- 事前準備をしっかり行う:パンフレットや重要事項説明書を事前に取り寄せ、ホームページも確認しましょう。
- 必ず予約をする:飛び込みではなく、事前に予約をして十分な時間を確保してもらいましょう。予約時の電話対応も、施設の質を測る良い機会です。
- 必要なものを持参する:カメラ(許可を得てから、入居者のプライバシーに配慮して撮影)、メジャー(居室の広さやスイッチ、手すりの高さを測る)、筆記用具(メモやチェックリストへの記入)は必需品です。
- 立地環境も確認する:施設の周辺環境を歩いて確認し、交通の便や周辺の商店などもチェックしましょう。
- 積極的に質問をする:サービス内容や契約事項だけでなく、ご本人の希望に対してどこまで対応してもらえるかなど、具体的な質問をすることで、施設の資質を見極められます。
- スタッフの様子を観察する:説明担当者以外のスタッフの態度や身だしなみ、入居者の様子(服装や清潔度)、施設全体の清潔度や雰囲気も重要なチェックポイントです。
5. 入居後の家族の役割
施設に入居後も、ご家族のサポートは非常に重要です。
- 入居後3ヶ月間は特に重要:新しい生活に慣れるまで、できるだけ訪問し、一緒に食事をするなど精神的なサポートを続けましょう。
- 施設スタッフとの信頼関係を築く:スタッフと積極的に連携をとり、ご本人の状況や変化をこまめに確認することが大切です。
介護職の視点から
介護施設で働く介護職の立場から見ても、利用者様は「お客様」であり、日々の接遇や礼儀作法は非常に重要です。不適切なケアは虐待の始まりとも言われるため、多くの介護施設では、職員の教育強化やメンタルヘルス対策、業務量の見直しなど、より良いケアを提供するための体制づくりに力を入れています。介護という仕事は、単に介護業務を行うだけでなく、利用者様の小さな変化に気づき、対応する能力や、社会人としての基本的なマナーも求められる、学びの多い仕事だと日々感じています。
まとめ
介護施設への入所は、ご本人とご家族にとって大きな決断であり、様々な理由と多くの準備を伴います。ご家族が介護の悩みを乗り越え、いつまでも良好な関係を築くためには、適切な介護施設選びと、入居後の継続的なサポートが不可欠です。この記事が、これから介護施設への入所を検討される方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
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