介護施設に入所する理由は何か?いつまでも家族が仲良くできるために必要なことは?

介護職の日記

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現在、私は介護施設で勤めています。

介護施設へご利用者さん自身から、希望されてご入所されているとは限りません。そんな入所にいたる理由を調べてみました。

ご利用者さん自身が、介護施設へ入所する理由は?

厚生労働省のサイトにはアンケートが出ています。


施設入所を希望する理由

○ 施設入所を希望する理由として、家族の負担が大きいことを挙げる人が多い。○ また、専門的な介護を受けられる、緊急時の対応の面で安心、といった、施設サービスのメリットも理由として挙げられる。○ その他、在宅サービスの金銭的負担が大きい、自宅で受けられる介護サービスが不十分、住宅の構造に問題があるといった、在宅介護を十分に受けられない事情も理由として挙げられる。

1 「高齢者介護に関する世論調査」(内閣府・平成15年7月)

 介護施設等を利用したい理由

介護施設等を利用したい理由のグラフ
(n=1511)
 *居宅サービス利用者4302人に対し施設入所に対する考え方を調査し、そのうち「できればすぐにでも入りたい」と回答した254人に対して、その理由を調査したもの。

引用元:6 施設入所を希望する理由↗

介護が必要になっても、いつまでも家族が仲良くできるためには?

濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)では、

家族が仲良くいられるために必要なこととして、施設や高齢者住宅を選ぶということも必要な場合があると、述べられています。


濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)より

家族だけで介護が難しいと言われている最大の理由は、要介護期間の長期化と言われています。

濱田氏のこの著書が出版された時(2015年)でも、「要介護期間が3年以上続く人は半数、10年を超える人も6人に1人に上ります。」と著書の中で述べられています。

しかもゴールは見えない状況です。

また、介護は愛情だけでは語ることはできない、金銭面や体力面、複数の介助者など、よほどの環境が整っていない限り、家族だけで長期間に渡って介護し続けることは難しいのが現実とのこと。

「家族がいるなら、家族が介護をした方が良い」「できるだけ自宅で介護した方が良い」とは、言い切れない。

老人ホームや高齢者住宅に入居し、日々の生活支援や介護は、プロのスタッフに任せた方が、高齢者にとって快適、安心なだけでなく、いつまでも優しい家族でいられる、良い感性でいられるというケースは多いのです。

しかし、高齢者住宅には玉石混交ともいわれています。

実際、高齢者住宅に入居させたことを後悔している家族も少なくありません。

「安心・快適」と聞かされて有料老人ホームに入居したけれど、快活だった母親が部屋でポツンと一人でさびしそうにしている。

訪問するたびに「帰りたい、帰りたい」と泣かれる。それでも連れて変えることができないので、何とか説得をするものの、情けなくて、申し訳なくて、いつも帰りの車の中で涙が溢れた。

「介護が安心」とは正反対の手抜きな介護も報告されている。

では、どうすれば、後悔しない高齢者住宅を選べるのかについて、濱田氏の著書「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座」よりご紹介させていただきます。

高齢者住宅選びの基本とは・・・

濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)より

・あせらず、余裕をもって探すことが大切です。

介護問題の多くは、骨折・脳梗塞等で突然発生するもの。

自宅に戻ることができなくても、ショートステイ、や老人保健施設へのミドルステイを利用すれば、次の生活の場を探すための時間は十分に確保されます。
現状の焦りや不安から逃れるためでなく、家族や本人の希望を取り入れた新しい生活のために、時間的余裕を確保し、じっくり探すという心の余裕を持つことが大切です。

・入居後の生活をイメージしながら、しっかり比較・検討する。

・できるだけ、多くの高齢者住宅を比較・検討する。
高齢者住宅は、サービス・価格ともに多様化しています。
有料老人ホーム、サ高住、介護付、住宅型など、種別の違う5社~10社の高齢者住宅のパンフレットを取り寄せて比較・検討すれば、その対象となる地域で運営している高齢者住宅の全体像をつかむことができます。

・入居後の生活をイメージする
建物の仕様や豪華さよりも、その身体機能や日常動作(ADL)に合わせた「移動のしやすさ」「使いやす」がより重要になってきます。
また、要支援、軽度要介護高齢者の場合は、将来、要介護度が重度になった時も生活しつづけられるか、
どの程度、費用が上がるのかといったチェックも必要になります。

・疑問は納得するまで確認する。
高齢者住宅選びは、ほとんどの人にとって初めての経験です。
事前にパンフレット等の比較をしていても、1度の見学でその内容をすべて理解することはできません。
契約書や重要事項説明書を読んでも、疑問は次々とでてきます。
わからないことは、何でも質問しなければなりません。

・コツは難しい質問を投げかけてみること
対応の難しい希望やニーズに対して、どのように応えるかで、その高齢者住宅の経営体質やノウハウ、誠意を読み取ることができます。
たとえば、転倒、転落などの生活上の事故。
どのような事故があるのか、事故を減らすためにどのような対策を採っているのか、被害の拡大を防ぐためにどのような取り組みをしているのかについてなどです。

・高齢者住宅選びは、現状の確認からスタートする 

・急いでいる時こそ、全体の流れ・ポイントを意識して

・高齢者住宅選びは、現状の確認からスタートする

・高齢者住宅は、価格・サービスともに多様化しています。その中から、本人や家族の希望に最も近いサービスが提供されている事業所を選び出すという作業です。
「どのくらい預金があるのか、年金はいくらもらっているのか」「どの程度の価格の高齢者住宅が対象なのか」という支払可能額の計算も必要です。

・急いでいる時こそ、全体の流れ・ポイントを意識して

・情報収集を行う
インターネットでほとんどの「有料老人ホームはホームページを開設しています。契約書や重要事項説明書、決算書まで表示しているところもあります。施設長やスタッフが日々の生活やイベントのブログを書いているところもあり、その高齢者住宅の雰囲気や管理者の人となり、情報開示に対する意識などをはかることができます。

・サービス・価格を比較検討する
資料が送られてくれば、まずは、価格やサービス内容を事前に整理し、様々な事業所のサービスを比較検討しておくことが必要です。
月額費用として示されていても、その費用の中に含まれるサービス内容はバラバラです。

・入居準備・入居開始
希望の高齢者住宅が見つかれな、入居準備に入ります。
この準備期間や入居開始から高齢者住宅に慣れるまでの三か月程度は、豊かな生活を行う上で、非常に大切な期間です。

・こんな高齢者住宅は要注意 

注意①法令違反
高齢者住宅業界の中で現在増えているのが、無届施設です。
もうひとつは、介護保険や医療保険の不適切な運用、不正請求です。
高齢者住宅は、法律に基づいて適切に運用されていることが最低限の必須条件です。

注意②契約を急がせる
急いで入居先を探している家族の弱みに付け込んで、強引な勧誘をする事業者は要注意です。
高齢者住宅は「売れれば終わり」というものではありません。入居後から実際のサービス・生活が始まります。本来、サービス内容や価格に対する理解が不十分なまま契約されると、入居後の苦情やトラブルの原因となります。

注意③情報開示、情報提供が不十分
見学前に契約書、重要事項説明書の資料の送付を依頼すると、「契約書や重要事項説明書は契約が決まってからお渡しします」と断る事業者もあるようです。しかし、契約まで契約書や管理規定等が確認できなければ、契約前に契約内容を検討できません。
体験入居の実施状況も重要です。
介護や食事などのサービスを実際に受け、住み続けることができるかどうかを最終判断する体験入居は、高齢者住宅は、選びには不可欠です。

注意④対象者や家族の話を聞かない
入居者や家族の話を丁寧に聞かない事業者も注意が必要です。
優良な高齢者住宅では、サービスや価格の「入居説明」だけでなく、入居者の不安や状況を聞き取る「入居相談」に力を入れています。

注意⑤説明に曖昧な言葉が多い
説明の中に「少しぐらい」「こちらで何とか」「たぶん大丈夫ですよ」と、曖昧な言葉が多い高齢者住宅も信用できません。トラブルやリスクの理解が乏しい事業者です。

注意⑥スタッフの態度が悪い
介護スタッフが靴を踏んで歩いていたり、挨拶もしない、ダラダラと仕事をしているのは、その事業所では、言葉遣いや態度を注意する人がおらず、それが見慣れた日常であるということです。それは、経営者や管理者の質が低いということです。 

高齢者住宅を見学しよう

濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)より

・見学のためには、十分な準備が必要 

高齢者住宅を実際に見学する目的は大きく二つあります。
一つはサービスや価格など商品の内容について詳細に確認すること、もう一つは、その高齢者住宅の雰囲気やスタッフ教育のレベルなどサービスの質を肌で直接感じることです。

濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)より

①事前チェック

情報収集、事前チェックは、有意義な見学のためには不可欠です。
事前にパンフレット、重要事項説明書などを取り寄せ、ホームページをチェックするなど。

②見学の予約

見学は5分、10分で終わるものではありません、飛び込みでの見学希望は、避けましょう。
予約時の電話対応も、その高齢者住宅の質をはかる良いチャンスです。

③持っていくもの・もらうもの

見学の予約時には、事前に契約書や重要事項説明書などを送ってもらうように依頼します。特に重要事項説明書は、高齢者住宅を比較するためには必要不可欠です。

あと、高齢者住宅の見学に、持っていくと便利なものは、カメラやメジャーです。
カメラは、他の家族に説明する場合に重要な資料となります。
高齢者住宅内だけでなく外観や周辺環境なども含めて撮影すればよいでしょう。ただし、必ず、説明担当者に許可を得てから撮影すること、他の入居者が映り込まないよう、プライバシーに十分に配慮することが必要です。

メジャーは居室内の広さを測るのに必要になります。入居者が使い慣れたベッドや箪笥が入るのかを測ったり、電気スィッチの高さや手すりの高さ等を確認します。

その他、筆記用具も必需品です。
説明に対して、メモをとることは失礼ではありません。契約内容や重要事項の誤解があると後でトラブルになります。事前に作成したチェックリストや質問事項んい、事業者からの回答や説明内容を書き込むといった作業は大切です。

④立地環境の確認

予約時間に遅れないように早めに到着し、高齢者住宅の周囲の環境を確認しましょう。
高齢者が生活するのにふさわしいか、少し周辺を歩いてみるのも良いでしょう。アクセス(交通の便)も重要です。公共の交通機関を利用する場合は、駅やバス停までの距離や坂道の有無、近隣の商店などもチェックしておくと、入居後の生活や訪問のイメージがわきます。

⑤家族からの質問
最後に、相談や質問です。聞き漏れがないように、事前に整理しておけばスムーズに質問できます。
それはサービス内容や契約事項について、一方的に質問するだけではありません。入居を希望している高齢者の身体を説明したり、高齢者住宅で個人の希望についてどの程度まで対応してもらえるかという相談も重要です。その回答からは、事業者の資質やノウハウが見えてきます。

・高齢者住宅 見学のチェックポイント 

①説明担当者の説明内容・態度

高齢者住宅の見学で説明や相談を担う担当者は、入居後に、家族とホームを繋ぐ橋渡し役になる生活相談者や管理者であることが多いようです。
説明内容を聞くだけでなく、説明の訪欧、説明態度をチェックし、信用できる人なのかを見極めることが大切です。

②説明担当者以外の態度・身だしなみ

説明担当者以外のスタッフの態度や言葉遣いが乱れていないか、チェックすることも重要です。見学者に対して気持ちよく挨拶されるところもあれば、すれ違っても知らん顔している事業者もあります。
その他、スタッフの服装が汚れている、スタッフ同士で仕事に無関係の私的な会話が多い、入居者への態度が慣れ慣れしいというところもあります。
これは、スタッフ個人の資質の問題ではありません。スタッフ教育が不十分で、基本的なサービス管理ができていないという証拠です。

③入居者の服装・清潔度

すでに入居者が生活しているのであれば、その身だしなみや服装等もチェック項目の一つです。
介護サービスが行き届いているかどうかを判断する一つの目安になります。

④全体の清潔度・雰囲気

高齢者住宅内が清潔に保たれているか、清掃は行き届いているかということも、重要なポイントです。共用部分は整理整頓されているか、介護スタッフルームが雑然としていないか、掲示物が曲がったり、落ちたりしていないかなどをチェックします。
高齢者住宅で働く介護スタッフは、指示された介護だけを行うのではありません。日々の生活の中で、入居者の小さな変化に気付くという資質が求められます。特に、重度要介護の高齢者は、本人から体調の変化を訴えることはできません。
それぞれのスタッフが小さな変化に自ら気づいて、積極的に対応しなければなりません。

・見学でやってはいけないこと 

注意①事前チェック・リサーチをせずに行く

注意②予約せずに見学に行く

注意③勝手に見学をする

説明を聞かずに説明者から離れて勝手に行動したり、他の入居者の居室を覗いたりすることはいけません。
見学中は、説明担当者から離れないのが基本です。見たい場所や確認したい場所があるときは、依頼、許可を求めましょう。

注意④許可なく写真を撮る

入居者のプライバシーがあります。事前に説明担当者に写真を撮っても良いか確認し、特に入居者の顔が入らないよに十分に配慮しましょう。

入居後の家族の役割

濱田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)より

・生活に慣れるまでの三か月間は特に重要 

高齢者住宅への入居は新しい生活へのスタートであって、ゴールではありません。
高齢者住宅での生活は、これまでの生活と大きく変わります。家族も、本人が新しい生活に慣れるまで、できるだけ訪問し、外出して一緒に食事をしたりするなどの精神的なサポートが必要です。

・事業者との信頼関係を作り、不安定な入居者のサポートを

入居後は、高齢者住宅のスタッフと信頼関係を築いていくことが必要です。
また、訪問時には、スタッフに本人の現在の状況や変化を確認したり、しばらく訪問できていない場合は、電話で状況を確認することも大切です。
普段から積極的に連携をとっておくことが必要です。

介護職としての立場として

田 孝一氏著「家族のための高齢者住宅・老人ホーム基礎講座(花伝社)をここまで、紹介させていただきましたが、介護施設、高齢者住宅では、日々の接遇を始め、礼儀作法など、介護職としての業務だけではなく、ご利用者さんは、お客様としての意識を強く持つ必要があるように感じます。

現在、私の勤める介護施設でもフロアミーティングでは常日頃から、接遇の研修や、利用者様への不適切なケアに該当しないかなどの勉強会があったり本当に社会人としての基本を学ぶことが多いです。

先日は、「高齢者虐待防止研修」もありました。

不適切なケアは虐待の始まりとも言われています。

ですので、不適切なケアをしない、もしくは、改善・予防することに、多くの介護施設などでは、力を入れています。

それは、①職場の体制・環境の改善、②職員の業務量の見直し、③職員のメンタルヘルス対策、④職員の教育強化などです。

具体的には、介護の理念や組織運営の方針を職員と共有する、人員配置や業務量など。負荷がかかっている部分の見直しや改善、職員の業務量やストレスを把握、上司からの積極的なコミュニケーション、思いやり、助け合う職場の風土作り、ケアの具体的な方法を指導(アセスメント力など)

そういったことでも、介護福祉のお仕事は学びが多いと感じています。

まとめ

この記事では、介護施設、高齢者住宅などへご入所(ご入居)してこられる利用者様は、どのような経緯で介護施設や高齢者住宅で生活をすることになったのか、
また、ご家族の中で、介護が必要な方がおられても、いくつになっても家族がよい絆で結ばれるためには、どのようにして、介護の悩みを乗り超えていけるのかを調べてみました。

このように、多くの準備をして決断をして、介護施設、高齢者住宅で生活をすることになることを考えれば、
私たち介護職にも大きな責任があり、そして、私たち介護職自身も成長できる環境である必要性を感じます。

もし、この記事を読まれて、これから、介護施設へのご入所などお考えの方に少しでもご参考にしていただければ、幸いです。

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